９「紫の輝き」

〜放課後〜
「……はぁ」
「四津ヶ谷先生！」
「あｯ…一ノ瀬さんどうしたの？」
「足、大丈夫ですか？」
「足…？あぁ…あれか…朝になったら治ったよ」
「そうですか！良かったです！」
そっか…この子は知ってるんだもんな……
「一ノ瀬さん」
「？」
「また…後でね」
「あっ！はい！！では！」(ﾀｯﾀｯﾀｯ…)
「…ふふ……」

「今日はBブロックに行ってもらうよ」
「うん」
「くれぐれも気をつけて、強い奴も増えてくるからね。足元も注意して歩くように！」
「分かった！」
「生きて帰ってきます」
「頑張ります……」
「……」
ここで死んだら現世はどうなるんだ？
え、まさかショック死？え無理無理無理…
死んで足でまといになるなら行かない方が…
いやでも俺が盾になればもっと……
「先生？」
「ｯあ……」
「行きますよ」
「…分かった」

「くｯ……」
「強すぎｯ…!」
「エコンの言う通りだね ちょっと怪我した」
「あｯ……」
どうしよう 手が震えて武器を使えない
さっきからこの子達に守られてばっかりだ
この子達がいなくなったらどうする
俺はこの子達がいなかったら戦えない…
(ｽﾞｻﾞｯ)「あｯ痛ｯｯ…！」
「ミツキｯ！大丈夫ｯ！？」(ｸﾞｷｯ)
「ｯ…ごめん捻挫したっぽい……」
「ハルカ…どうしよｯ……」
「あ…ｯ……！」
え…あ…どうしよ…
もうリッカちゃんと俺しか動けない……
でもリッカちゃんも限界が近くまできてる…
俺……俺は…最年長なのにｯ…みんなの事…
俺……！震えるな…！深呼吸…深呼吸…！
「ふぅｩ……すｩｩ……ｯ…！」
よし…怖気付くな…ビビるな……！
戦え…腕を動かせ…！みんなを救え…！
「いけるｯ……」(ｼｭﾝｯ!)
「先生ッ…！」
(ｽﾞﾊﾞｯｯ!!)(ｻﾞｼｭｯ!)(ｻｧｧｯ……)
「…ふぅ〜……ｯ！」(ﾋﾞｭﾝｯ!!)
(ﾊﾞｯ!)(ｻﾞｼｭｯｯｯ)(ｽﾞﾊﾞｯｯ!!)
「四津ヶ谷先生……凄…！」
「あれ…！先生の武器の宝石……！」
「輝いてる…！あれが本当の力…！」
「かっこいい…！凄い！」
「私も…2人は休んでてｯ！」(ｼｭｯ)
「あっ……」

「ｯ先生！」
「リッカちゃんｯ…」
「ありがとうございますｯ！」
「ｯ……！」
(ﾋｭﾝｯｯ!!)(ﾊﾞｯ!!)(ｻｧｯ……)
こちらこそ…いつもありがとう

なんと才能開花したカナエ。
もう怖くない！負けない！震えない！
…そして全ブロックの制圧が完了し遂に
敵の本拠地への侵入を進める…！
次回、10「リユ･ブラック」