#17 拐われたアイト!禁断の島からの脱出!(前編)

文字数 3,211文字

その日、事件のせいかボクはとても疲れていて、着替える前に眠ってしまった。

とんでもない事になるなんて知らずに……。

orurunshoboon

………。………………。

夏だからか風が涼しい。それに潮風の匂いがする。

水の音も聞こえる。それに人の声も。

うう〜ん、眠いけど起きよう……。

orurunshoboon

ふああ……おはよう〜……

アイトは目を開ける。

するとアイトは………………驚いた。

orurunshoboon

…………は!??

ここで問題です。

ずらりと並んだ提灯。綺麗に並べられた座布団。

テーブルの上にはお刺身の盛り合わせやお酒などが並んでいて、この乗り物は大きな水の上を走っている。

これなーんだ?


正解は、屋形船でした☆てへぺろ☆

orurunshoboon

…………ええええええええええええええええええええええええええええええええええ!??

****


AM6:00。

orurunshoboon

落ち着け……状況を整理しよう。

まずボクは座布団を丸めて作った枕で寝ていた……。

そして豪華な料理は誰も食べていないみたい、お茶碗はひっくり返ったまま……。

次にテレビ、なぜか電源は入ってるみたいだ。

あ、でもボタンを押しても反応しないなぁ。

あっそういえば人の声が……!

すみませーん!

……すーみーまーせーーーん!

…………返事がない。ただの……ゔゔん。
AM6:30。

orurunshoboon

ダメだ……この船誰も乗ってないよ……ていうかなんでボクはここにいるんだ?

思い出せ……!たしか前回はシルさんが誘拐される事件が起きて……

ゴラゴランちゃん達と協力して……クロスちゃんに会って……

家に着いたらそのまま疲れて寝ちゃって……!

ああああああ!もう!全然思い出せない!

ボクは家からこの船にどうやって乗ったんだ!?

AM6:50。

orurunshoboon

はぁ……お腹空いた……

うう、お刺身美味しそうだなぁ……天ぷらもあるじゃないか……

でもお財布持ってないしなぁ……

いやダメだダメだ!そんなことしたらグラスちゃんが「バブブ♪」とか言って、シルさんが「こんな事するなんて思わなかったんですよ〜」とかインタビューで言って、クロスちゃんのスキルで木っ端微塵!社会から抹消!サヨウナラ!…………それは嫌だ!
……我慢して船内を探索しよう……きっと何かあるはずだ……
AM7:00。

orurunshoboon

7時になりました。ニュースをお伝えします。
うわあ!?テレビが勝手についた……

あ、このテレビ、脱出ゲームみたいに紙が貼ってあったり印がついてるのかも。

………ん?なんだこれ?

なんでテレビの後ろにセロテープが……

あっ!よく見ると文字が書いてある!

ええと……「俺を呼べ」って書いてあるのかな……

ん〜よく見えない……俺を……俺をなんだろう……?

俺を呼んだか?

orurunshoboon

うわぁ!?なんだ今の!?えっなに!?誰!?

お前が乗ってるのは「五智兎号」。

「ごちえごう」って読むんだ。かわいい名前だろう?

orurunshoboon

五智…兎…号?別にかわいくないけど……
なんだと?俺の自慢の船にケチつけんのか?

orurunshoboon

あっいやそういうつもりじゃなくて……!
まぁいい。今、その船は海の上を走っている。

行き先までは勝手に進むから安心しろ。誰も乗っていないが沈む事はない。

orurunshoboon

それと、その船の料理は美味いぞ。どれも新鮮なものばかりだからな。

orurunshoboon

えっ!あのこれ食べても……
ダメ。

orurunshoboon

ダメなんかい!!
冗談だ。これから長い旅になる。しっかり栄養を補給しておかないと体がもたない。安心して食べてくれ。

orurunshoboon

いいんだ……あ、ありがとう……
じゃ、目的地で会おう。期待しているぞ、BABU社員、アイト。

orurunshoboon

えっ!?なんでボクの名前を……

あ!テレビから聞こえてたのか!!君は!?

だ……あが……この……は……
あ、あれ?映像が乱れてる…声も途切れてるぞ…壊れたのかな?おーい!おーい!!
なによバブ   騒がしいわねぇ……

orurunshoboon

!   今の…後ろから聞こえた!?
アイトは振り向く。

orurunshoboon

こんにちバブ。
ツインテールで赤い水着を着ておしゃぶりをしてヒゲの生えたオッサンがいるうううううううう!??
オッサン?あたしベイビーよバブ。
オッサンベイビーなんているの!?っていうかバブって言ってる!!
そりゃベイビーなんだから当たり前でしょ?ほらアイト、座りなさい。これ美味しいバブ。
勝手に食べてる……う〜ん…どうしよう…あの〜、あなたは何者ですか?どうしてボクの事知ってるんですか?
バブ。バブバブ。バー!
うわっバブでごまかした!

【ゴワス】

あたしはゴワス。個性派ベイビーユニット「脂肪ブラザーズ」の弟。よろしくバブ。

ええっ!?ほんとにベイビーなの!?でも普通に喋ってるよ!
んもう、そうだって言ってるじゃない。

「ベイビーはバブしか喋れない」。それは基本的なハナシ。

クロスちゃんだって2つの顔があったでしょ?人間が細かい事気にしないの。

そうだったのか…

言葉に関してはいろいろなタイプがあるわ。

バブしか喋れない。

バブしか喋らない。

日本語とバブを喋る。

英語しか喋らない。

日本語しか喋らない……。

もちろんあたし達ベイビーには人間と同じように性格がある。本当はバブを喋りたい、日本語を喋りたい、そう思ってる子だっているわ。
知らなかった…じゃあもしかしたらバブしか喋らないゴラゴランちゃんも日本語を喋らないだけで「日本語とバブを喋る」可能性も…!
あんた、なかなかいい目してるわね。あたし達ベイビーの事を知りたいだけじゃない、そう思ってる?
うん!いつかたくさんのベイビーちゃん達と友達になりたいんだ!!BABUの社員として、人として!
…………なるほどね。乗せて正解バブ。
なんでもないバブ。さ、腹ごしらえよ!あたしの分はこれ!アイトの分はこれ!しっかり食べなさい?
はーーーーいっ!
あそうだ。今あたし達、東京湾を出る所にいるから。BABUはもう見えないわよ。

あとこれ、誘拐だから❤︎

はーーーーいっ!

……えっ!?

ええええええええええええええええええええ!??

****


一方、ここはとある島の灯台。

顔の怖いベイビーが宙を舞い、数人の男を魅了していた。

orurunshoboon

止まれ女!!ここ何しに来た!立ち入り禁止の島だということは知っているだろう!
待て!この身体能力…人間じゃない!ベイビーだ!
うわあああ!

謎のベイビーは男達の首を次々と回し蹴り。

男はスピンしたまま吹っ飛び、壁にぶち当たる。

orurunshoboon

が……あ……っ

謎のベイビーはあっという間に男全員を倒してしまった。

すると今度は、バニーガール姿のベイビーがやってくる。

orurunshoboon

やりすぎバブ。奴らに気付かれたらどうするバブ?
バブブ。
……まだ喋れないか。しょうがない、後で"アレ"飲んでおくバブ。同じベイビー同士、コミュニケーションは大事だからね。
それにしても、あたし達ベイビーを派遣する人間の会社に"イレギュラー"が混じってるなんてすごいわよね……さて、例の少年は今どの辺?
くっ……!ベイビーだったのか…!好きにはさせないぞ…!
まだ生きてたの?「ハイキックベイビー」の技を受けといてまだ喋れるなんてすごいわね。
ハイキックベイビー…?ま、まさか指名手配の……!

ズン!!ズガァン!!ズガァアアアン!!

ガラガラガラガラ……

orurunshoboon

あ〜あ……"その言葉"、タブーなのに……首がすごい方向に曲がっちゃってる♪

か・わ・い・そ・う♪

バブブォ。
はいはい、望遠鏡ね。どう?見える?
バブ!バブブ!!
え?見つけた?……なによ、"あいつ"も一緒じゃない。何しに来るつもり?
バブ?
レインボーブリッジの近くに光?よく見えるわね……
(……まさかね……)

****


BABU。人事部。

orurunshoboon

なんですって!?アイト君が行方不明!??
バブ!バブ!!
自宅にもここにもいない、ですって!?
バブ。
え?昨日から様子がおかしかった?一体何が……!
バブブ!!バブーッス!
煌ちゃん!!どうし……

ゴラゴランちゃんがエッグに!?まさか…!!

BABU。地下1階。

ゴラゴランは今までのアイトとの会話を思い出しながら無言でエッグのスイッチを入れた。

orurunshoboon

『ゴラゴランちゃん!』
『ゴラゴランちゃんすごいよ!』
『ボクに任せて!』
拳を握るゴラゴラン。彼は静かに、いや、激しく怒っていた。

orurunshoboon

バブゴラァアアアアアアアアアア!!!!!!

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登場人物紹介

アイト

ひょんなことからBABUの新入社員になった少年。

ベイビー、未来とティムのファン。

シルフィーナ

BABUの人事部兼秘書の女性。

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