ごちゃ×ラビBABYS!
前のエピソードへ「#24 続続・ごちゃラビクエスト2~魔王アイトのRPG~」
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文字数 3,105文字
Volt_Fantasia
天井に張り詰められたタイルの破片が家の中で散乱してしまい、
頭を抑えながら部屋の有り様を見て愕然する。
あぁ…、頭痛い。
砂嵐の中から何かの影が見える。ただはっきりと見えない為、
アイトは戸惑いを隠せない…
な、何で勝手にテレビが付くの?
こ、怖いんだけど…。り、リモコンは何処!?
先日ごちゃラビクエストをプレイする前から散らかっていましたよ。
常に掃除を怠っていなかったら、こうなってはいません…
余計なお世話でしたね。では失礼します…
ただ…、私は常に貴方を見ていますよ。
テレビ消えてる…。一体何だったんだろう。
こうなったのはゴラゴランちゃんのせいだ…。確か、あれは…
****
いつものように午前中は派遣会社「BABU」に出勤。
ただ今日はベイビー達の健康診断のようで、毎年この時期になると社員達も
そわそわしている中、人事部にいるアイトはシルフィーナと会話を交わしている。
毎年1回健康診断を行うんだけど、平和に終わった事が無いのよ…
その際にこの階が陥没して、修理が終わるまで相当時間かかったのよ…
今年は気を付けて…って確か今日も末吉ちゃんは居ないから少しは安心出来るわね。
ただ、スキルの無駄遣いは止めましょうって
結構前から言ってるから気を付けるように…。分かった?
今日の分だけをアイト君には生で見て貰うつもりよ。
メンツが凄いですよ!!
ゴラゴランちゃんに、オルガちゃん…
それにゲイミちゃんとドロアちゃん。これはアイト君、本当に覚悟した方がいいわ。
どういった方なんですか? 何か怖いです…。
2人寄り添って寝たり、どんな時も一緒で任務を行うの。
ぶっちゃけて言えば、あの子達はゲイなのよ…。
アイト君、まずは会議室に行って貰えるかしら?
健康診断を行う看護師がいるわ。あ、もちろんベイビーよ。じゃあ宜しくね…!
緊張しながらも会議室の扉をノックし、
少し声が籠った口調で「失礼します」と言い
中に入るとそこにはお色気を放っている看護師が
椅子に座って、耳元で囁くかのようにオルガを診断していた。
初めまして、アイト君。話はシルフィーナさんから聞いているわ。
私はヘレン。もちろんこう見えてベイビーよ…、宜しくね。
確か彼女はこの職に就く前、グラビアをやっていたみたいですし…
脱いだら凄そうですね。
でも見る目はありそうだわ。私のお願い聞いてくれるかしら?
失言した分、お役に立てれば…!!
ドロアちゃんとゲイミちゃんを会議室に連れて来る事。
あの二人は一緒に健康診断を受けないと厄介な事になると
シルフィーナさんから苦言を受けているのよ。じゃあ、宜しくね!
横一線に立ち並ぶベイビールームがある廊下に佇むアイト。
ドロアとゲイミがいる部屋のドアにはハートマークした飾り立てに
二人が頬を擦り合って笑っている写真が貼ってある。
まさにゲイだ。ちょっと覚悟して中に入らないと…!
緊張するなあ。失礼しま…
貴方誰? ちょっと邪魔よん!!
あっ、行っちゃった…。ど、どうしよう。まずはあの子に話を聞かないと…
おしゃぶりを銜えてない時は普通に喋る事が出来る。
どうやら一緒に同棲している子と喧嘩をしてしまったようだ…
喧嘩はダメですよ。ちゃんともう一人の子に謝って下さいね!
可笑しいじゃない。怒るなら向こうよ…。チョコレートの話をしていただけよ…!
そんなんで怒られる筋合いないわ。ほら、あんたに用はないわ。
さっさと出ていきなさい…!
ベイビー達の喧嘩を止める事も役目です! 同棲しているんですよね?
だったら尚更です。意気投合してないと一緒に暮らすなんて出来ません…
たった一言で信頼関係を失う事だってあるんです!
ボクも一緒に謝ってあげるからさ!
分かった。あんた気に入ったわ…
ただ、もう一人連れていきたいベイビーがいるわ。ほら、彼が来た♪
突然ゲイミとドロアの部屋にやって来たのはお気に入りであるゴラゴランちゃん。
2人は彼がスキル使用時の迫力あるマッチョな体型が好みのようで、
目の色を変えて彼を見る。
張りがある大胸筋、守って貰いたくなる広背筋…、私の好みだわ…。
いやいやいや、ゴラゴランちゃん。ドロアの元に行くわ。
いつものお願い出来るかしら?
アイトの事をずっと待っている。
え、えーいっ! もうどうにもなっちゃえ!!
ゴラゴランちゃんお願い!! ドロアちゃんを助けるよ!! 準備はいい?
彼の広背筋にしがみ付いているゲイミとアイト。シルフィーナには
ベイビー達の健康診断を生で見るように言われているが、
今はそんな事を言っている躊躇など言っていられない…
ドロアを助ける…
その行為がどのような事に繋がるかは見当も付かないけど
ベイビー達と触れ合うチャンス。困っている人も助けるのが
立派な社員になる為の入り口。
そう…、アイトには誰にも言えない過去を背負って生きている。
その為"悪"という言葉には相当敏感。
ここはこの街の何処かにある地下トンネル。
誰にも会う事なく慎重に"とある事"を進める怪しい影…
おしゃぶりを外せ、エディール…。
アイトさんはやはり私達の事を覚えていないようですね…。
兄上、どうするおつもりですか?
絶対にシルフィーナには悟られるな…。あの女には何かあるに違いない…
もちろんやってくれますよね?
アップロード可能なファイルは5MまでのPNG、JPEGです。
縦幅は、画像の縦横比率を保持して自動調整されます。
スマホでの表示は、大・中・小のどれを選択しても、一律で320pxに設定されます。
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次のエピソードへ #26 チョコレートの罠!垣間見得るエディールの存在!!
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アイト
ひょんなことからBABUの新入社員になった少年。
ベイビー、未来とティムのファン。
シルフィーナ
BABUの人事部兼秘書の女性。