#27 セレナとドキドキデート!?前編

文字数 2,835文字

BABU。人事部。

orurunshoboon

なぁ、アイト君に”あの事”言わなくていいのかなぁ?
そう思うじゃん?彼、ベイビーが怖いとか言っていたけど、何人かのベイビーと普通に接していたらしいよ。なんなら会ったことないベイビーの胸を揉むなんて事もしたんだそうだ。
えっ!マジ!?初対面の女の子ベイビーを揉んだって事!?
しっ。声がでかい。
やるなぁ、アイト君……なら大丈夫か~……

あっそうだ、”あの人”から頼まれてたんだった。

おーい!アイト君!

ん。はーい!
この書類、渡してきてほしいんだけどいいかな?
え、誰にです?
あ~その、なんていうか、あはは…ベイビーに、なんだけど……
ベイビーに??
あぁ、すまないねアイト君。その書類は僕が受け取るよ。

orurunshoboon

あっはい。ええと……

【アンバー・ファンタジア】

こんにちは、アイト君。僕はアンバー。

ベイビーの管理をしているベイビー、アンバー・ファンタジアっていうんだ。よろしくね。

えっ!?ベイビーなんですか!?

みんな、お疲れ様~♪

……あら?

やぁシルフィーナさん、今日も美しいですね。

その書類、僕宛なんです。わざわざありがとうございます♪

ええええええええええええええええ!?
あの、アンバーさんって…
君の事はよく知ってるよ。純粋にたくさんのベイビーと友達になりたい、たくさん知りたいという気持ちは僕達ベイビーにとってとても嬉しいし、僕達も君の事を知りたいんだ。「推薦状」を送った甲斐があったよ。BABUに来てくれてありがとう、アイト君。

えっ…そういえば「推薦状」のおかげでここに……

ええ!?アンバーさん、あなたは一体!?

僕は――
アンバーさん?ちょっとこっちへ来ましょうね?
あらら?デートのお約束なら後で――
ち・が・い・ま・す!!!
ワーオ。ありゃモテるぞ。羨ましいなぁ~。
はあ……

****


BABU。食堂。

シルフィーナは、お弁当を食べていた。

orurunshoboon

はぁ……どうして彼が……
『そろそろ会いたいと思ったんです。駄目でしたか?』
『私に任せるんじゃなかったの?ゲームの中で会った時は本物かどうか目を疑ったわ。どうしてゲームの中からこっちへ…。』

『あなたと会ってわかったからですよ。あなたは彼と会ってからとても楽しそうにしている。


それに心配じゃないですか。彼は今、私達ベイビーを怖がっているんですよ?このまま放っておけば、彼の「知りたい」という気持ちが無駄になってしまう。』

『アイト君が怖がっている理由がわからないわ…何も話してくれないし…』

『だからこそ会いに来たんです。

あなたも休んでいいんですよ。僕が戻ってきたんですから。シルフィーナさん、きちんと働いてえらいえらい。よしよし。』

――んもう。思い出したらカチンと来るわねぇ…。なんなのかしらまったく…。
バブ。

瑞希は1人の女性を指を差す。

そこには、美味しそうに肉まんを頬張る女性がいた。

その食べっぷりに、周りの社員は釘付けだ。

orurunshoboon

美味そうだな…俺も肉まんにするか!
あたしも!
あれは…
えっ?あの子ベイビーなの?おしゃぶりがないわねぇ…?

驚くシルフィーナ。

女性の隣に座って話しかけてみる。

orurunshoboon

こんにちは。私はシルフィーナ。この会社の秘書です。ようこそBABUへ♪
もむもむ?もむもむ♪
あらかわいい…

【セレナ】

ごくん。はじめまして、人間さん♪セレナと申します♪

セレナちゃんね、よろしく♪肉まん、美味しい?
もむもむ♪
よかったわ♪今日はどうしてここへ来たの?
アイトという人間さんを探しているんです。
えっ?アイト君?確かに彼ならここにいるけど…どうしてここだとわかったの?
”この人"が教えてくれたんです♪
えっ。まさか…
やぁみなさんお揃いで!ふふ、肉まん美味しいですか?いっぱい食べていいんですよ?
あ、あなた…!
美味しいです♪連れてきてくれてありがとうございます♪
つ、連れてきた?まさかこの子、ゲームの世界から…
”僕ら”は必ずしも日本にいるわけじゃない。何かが影響してちょっと不思議な所で目覚める者もいるんです。
じゃあ、あの時の計画っていうのは…

ゲームの世界と現実世界へ繋げる事。

あとは管理するだけです。すでに何人かのベイビーにウチの会社を教えてあります。

それならそうと――
私、いない方がいいですか……?
あっえっとね、そうではなくて…!
泣かすのはよくないですよ?シルフィーナさん、減点です。
私はどうすれば……

もちろんここにいていいんですよ。

当社があなたの生活をサポートします。よろしければ、ここで住んでみませんか?

えっ?いいんですか?
僕らは目覚めた時、住むところも元の記憶もない。その1人1人を繋ぐのが僕の、当社の役目です。
アンバーさん…!ありがとうございますっ!優しいんですね♪
……んもう、かっこつけちゃって。
あぁ、お礼はデートで構いませんので♪瑞希さんともデートのお約束がありますが、女性とのデートはいくつあっても楽しいものです♪
デート??
たらし。
何の事ですかー?よくわかりませんねぇ。

まったく……

まぁ、何はともあれ、セレナさん、よろしくね♪

よろしくお願いします♪
****

orurunshoboon

――というわけで、人事部に置いていただける事になりました♪
パチパチパチパチ

orurunshoboon

めっちゃかわいい!本当にベイビー!?
おいお前デートに誘ってこいよっ(小声)
ええっ無理だよっあんなに綺麗な人に話しかけるなんてっ
もう、セレナさんを見すぎですよ?
セレナさん、どう見ても人間の女性ですけど本当にベイビーなんですか?
「ベイビーは赤ちゃん」、それはそうなんだけど、ベイビーの中には成長過程が”元”と変わらないままベイビーになった子もいるの。
おい、セレナちゃん結構胸でかくないか?(小声)

ほんとだ!(小声)

あのあの、シルさん、セレナさんは誰の隣に座るんですか?

コホン。ベイビーと言っても女性は女性です。セクハラは許しませんよ?

それに学校の席替えや転校生じゃないんだから。

セレナさんにはアイト君の隣に居てもらいます。

なっ!?なんだってええええええええええ!?
アイト君が羨ましい…!!
えっ。

セレナさんは遠い所からアイト君に会いに来たんです。

アイト君、BABUの事や人の事、いろいろ教えてあげてね♪

あなたがアイト君なんですね♪

お会いできてよかったです♪右も左もわかりませんが、よろしくお願いします♪

えっ!は、はいっ!
じゃあアイト君、アンバーさんからセレナさんについての書類を預かっているから、よく読んでおいてね♪
はーい!
(ふぅ。アイト君嬉しそう。元気出してくれるかしら♪)

****


BABUのビルの前。

orurunshoboon

んーーーーっ ふぅ…!疲れたー!さぁ帰ろうっと!
アイト君待ってくださいっ
あっセレナさん!ベイビールームはビルの中ですよ?

セレナでいいですよ♪普通にお話してください♪

実はアイト君にお願いがあって…

ボクに?
えっと、恥ずかしいですけど…その…あの……
あら?あれはアイト君とセレナちゃん…どうしたのかしら?
私と、デートをしてくださいっ!
ダメ…ですか…?
えええええええええええええええええええええええええええええええええ!?

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登場人物紹介

アイト

ひょんなことからBABUの新入社員になった少年。

ベイビー、未来とティムのファン。

シルフィーナ

BABUの人事部兼秘書の女性。

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