#24 続続・ごちゃラビクエスト2~魔王アイトのRPG~

文字数 3,433文字

前回のあらすじ。

ごちゃラビクエスト2の世界に飛び込んだアイトとグラリオ。


魔王アイトと四天王の1人グラリオは、

魔王軍四天王であるベイビーゴラゴラン、大文字タケル、轟鬼と共に「バブンス城」を攻め落とすため門の前まで侵攻。


同時刻、バブンス城を治める王煌ベイビーは謎の女性ベイビーと出会い一目惚れ。

さらに容姿のよく似たもう1人のベイビーが侵入するも、2人の女性ベイビーは窓から飛び降りて逃げ出す。


一方その真下、アイトの目の前に謎のベイビーが現れ、

今度は砂埃が発生。アイトと四天王、謎のベイビー、2人のベイビーは混乱に陥る。

そんな中――

orurunshoboon

いつまで人の胸を…揉んでんだオラァああああああああああああああああああああああ!!!

アイトの目の前に、筋肉ムキムキの女性が激怒しながら出没。


かくして、バブンス城の門にはアイトの他に

ゴラゴラン、グラリオ、轟鬼、大文字タケル、謎の女性ベイビー2人、謎の少年のベイビー、筋肉ムキムキの女性が集結した。

orurunshoboon

****

orurunshoboon

ああああ……ああああああ……!?
あたしの胸はどうだ?さぞかし揉み心地があるだろうなぁ人間?
(ゴラゴランちゃんとほとんどおんなじ服…!明らかにヤバイ筋肉…!こんな人に殴られたら一溜まりもないよ…!!)
あ、ああああああの、ボボボボボク…!
あぁん?いい度胸じゃねーか。ブッ飛ばされたいのか?
ひぃぃいいいい!?
ん?き、君は!!
ん?あれ?えええええええええええええええええええええええ!?
え?え?え?
君は桃香くん!!桃香くんじゃないか!!こんな所で何をしているんだ!
もっ…ももか??

【九重桃香】

そうさ!あたしの名前は桃香!九重桃香(ここのえももか)だ!

えええ……名前かわいい……

っていうか人の名前だよね……

あん?なんでお前グラリオ様と一緒にいるんだ?ファンか?ファンなのか?
彼こそ魔王だからさ!!

魔王!??こいつが!??

どっからどう見てもただの人間じゃねーか!あたしらより強ぇのか~?

人間…?ってことは…君はベイビー!?
悪いか?
ヒィィィイイイイ!
桃香くん。おしゃぶりには私達の能力を制御する力がある。付けていないのは危険だぞ?
グラリオ様…!
あのー、どういったご関係でー…?
あたしはいつか、グラリオ様みたいな筋肉を手に入れたいんだ!そんで、弱いやつらを守りたい!ゴラゴラン様、大文字タケル様もそうさ!あたしの憧れなんだ!!
おお…!かっこいい…!

魔王アイトだっけ?あたしの顔が怖いだろ?これはゴラゴラン様に似せてるのもあるけど、ひでぇ奴らを威嚇するためだ!


…まさにお前みてぇな奴だよ!影騎士のジルード!!

【ジルード】

チッ!余計な事しやがって!

観念しな!お前が魔王アイトを狙って近付いたのはわかってんだ。兄貴の「ジラード」もいるんだろ?出て来いよ、相手してやる!
なるほど、急に出てきたのはオレの邪魔をしようってわけか。魔王軍には目もくれず、ご苦労なこった。

言ったろ、あたしの憧れだ。

魔王アイトも憧れの憧れ、あたしの守る対象になる。

桃香ちゃん…!

【ジラード】

仕方ありませんね。ここは引きましょう。

ですが魔王アイト、油断は禁物ですよ?あなたは今魔力が足りていない。くれぐれも……

"BABUのあの女"に気をつけるんだな…!
何を企んでいる!!

お前らに教える義理はねぇよ!

じゃあな、魔王アイト。

いや………BABU社員、アイト君。また会おうバブ。

えっ………!?

****


一方、ここは「せやかてバブバブ城」。

謎の部屋。「デバックルーム」。

ベイビーのヴェイルノート、ダスター、ライカ、ナナ、

そして人間のシルフィーナがいた。

orurunshoboon

困ったわねぇ…やっぱり壊れてるみたい。
シルっち、ここは何の部屋にゃ?
怪しい機械がいっぱいだ…触ったりしたらダメだぞ。
わかりましたぁ♪

シルフィーナはパソコンのキーボードをカタカタと打ち始める。

やがて、口を開いた。

orurunshoboon

ここはこのゲームの世界の心臓部分。通称デバックルーム…。どうしてアイト君が魔王、私が勇者になっているのか、ここに来ればわかると思ったの。

……やっぱりね。わかったわ。この世界の謎が。

ゲームの世界?
キャッキャ
そう。そもそもこの世界にはベイビーちゃんと共鳴する何かがある。それを利用してアイト君をこの世界に入れた。それがグラリオちゃん。ここまではよかったけど…
問題は誰かが「逆転」させたこと。”前回”と同じ魔王の私と勇者アイト君のツッコミどころ満載のギャグストーリーだったはずなのに、私達だけじゃなくて全員の立ち位置がバラバラになってしまった。それは一体……
やだなぁ、シルフィーナさん。ゲームの登場人物がこんなところにいていいと思ってるんですか?

orurunshoboon

あなたは…!?
シルっち!体が動かないにゃあ!
どうなってるバブ…!?
バブブ!
バブ!?
みんながバブしか喋れなくなってる!?やめなさい!
嫌ですよ。ほら、誰でも計画に支障が出るのは嫌でしょう?それとも、闇に堕ちますか?
闇に…?
あぁ、BABU秘書のシルフィーナさんともあろうお方が私の事を知らない…?悲しいですねぇ…せっかくの美貌が台無しだ。
何者なの!?

【アンバー・ファンタジア】

私の名はアンバー。アンバー・ファンタジア。全てのベイビー達を知り、全てのスキルを支配する者。語尾に「バブ」を付けていませんが、れっきとしたベイビーです。以後お見知り置きを。

ファンタジア…!?
”前回”はアイト君の記憶を消させていただきましたが、まさかあなたが覚えているとは思っていませんでした…。どうやらあなたは我々ベイビーにとってイレギュラーな存在ですね…。どうしましょうか…?
なぜ逆転させたの?

”暇つぶし”ですよ。物語の主人公がどの世界に行っても必ず主人公でいるのはつまらないでしょう?他のベイビーの立ち位置もミックスさせることによって、おもしろい可能性が見えた…。

私の計画は終わりです。すなわち、ゲーム終了。

待ちなさい!
安心してください。アイト君の”違った”可能性を見たかっただけです。私もギャグは好きなので、次回のごちゃラビクエストは何もしない……。これでハッピーエンド…。
うっ…!光が…!まぶしい…!
ではまた会いましょう。BABU秘書、シルフィーナさん。アイト君によろしく伝えておいてください。

一方、バブンス城。

orurunshoboon

【セレナ】

セリカちゃん、あの子…♪

【セリカ】

人間だったのね。じゃあきっと、"あっち"で会えるかもしれない。

……はっ!私は何をしていたんだ!?
バブ!?バブゴラァ!!!
わぁ!?ゴラゴランちゃん、グラリオさん、戻った…!?
バブォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
バブァ!!!
…あれ?あたし何してんだ?
轟鬼さんとタケルさんがバブしか喋ってない…?どうなってるの?
また、私が来た♪
うわああああ!?シルフィーナさん!?
帰るわよ♪私達の世界へ♪
えっ!?

アイトは自分とシルフィーナの体が光っている事に気付く。

そして、さよならを言う時間もなく、辺りが真っ白に輝いた。

orurunshoboon

うっ…!うわあああああああああああああああああ!

****


アイトの家。

アイトは、ゲームのコントローラーを握ったまま寝ていた。

orurunshoboon

あれ…?
ううん……あら?おはよう、アイト君…

おはようござ……

えっ!?

アイトは驚いた。

なんと、アイトはシルフィーナと一緒の布団で寝ていたのだ。

それも、シルフィーナの胸元が大胆にも露わになっている。

orurunshoboon

あ…ああ……!こここれはですね…!違うんです…!許して桃香ちゃん!

あ、あれ?桃香ちゃん……?そうだ、ボク、魔王としてバブンス城に……!

シルフィーナさん!聞いて下さい!ボク、ゲームの世界で魔王になって…!!

ムニッ

orurunshoboon

ア・イ・ト・君?いつまでわたしの胸を………♪
ごめんなさあああああああああああああああああああああああああい!!!

無事に現実世界に帰ってこれたアイト。そしてシルフィーナ。

ひとまず安心する2人だが、ごちゃラビクエストの画面からベイビーが出てきていることに気付いていない。


彼らはアイトとシルフィーナに気付かれないよう、こっそりとアイトの自宅を抜け出していく。

orurunshoboon

もむもむ♪
お邪魔しまーす♪
アイト君、君にはベイビーを知る権利がある。もっと怖がらずに知ってもらいたい……。


さてと、私の計画は成功。

無事にゲームの中に迷い込んだベイビーを現実世界に連れてくることができた。

ふふふ……これから楽しみだ。

今のうち…♪
…………。
…………まぁ、厄介なベイビーも来てしまったかもしれないけど、アイト君なら大丈夫。期待しておこう。

つづく。

orurunshoboon

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登場人物紹介

アイト

ひょんなことからBABUの新入社員になった少年。

ベイビー、未来とティムのファン。

シルフィーナ

BABUの人事部兼秘書の女性。

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