#11 明暗ブルーのアイトの心情

文字数 3,141文字

今日も出勤、笑顔で挨拶しながら階段を駆け上るアイト。

Volt_Fantasia

おはようございます!
おはよう、アイト君!相変わらず元気だね!!
君の元気が欲しいぐらいだよ!分けてくれないか?

俺なんか、昨日シルさんに怒られちゃってね…。もう、参ったよ…。

僕は「元気」「笑顔」を大切にしています!

笑顔をしていれば周りの方が元気になってくれるんじゃないかな…と思って。

良い事言うじゃん!

君の笑顔を見ていたら元気になったような気がする、ありがとな!!

はいっ!
****


人事部。始業時間を向かえてシルフィーナさんに「今日は何をすればいいのか?」と

聞こうとした瞬間、見慣れないリリカルラビット二匹が人事部にやって来た。

Volt_Fantasia

シルさーん。自分に依頼した例の花ってどれですかー?
あ、アイト君、ちょっと待っててね。
アルムくん!この花なんです…。

気に入ってたのに萎れちゃって…。貴方のスキルで元の姿に出来ませんか?

分かりましたー。
リリカルラビット"アルム"のスキルは"再生"。萎れた花や草木を元の姿に戻すことが出来る。

シルフィーナが気に入っていた花はみるみるうちに

綺麗に咲き誇っていた当時を思い出すような姿に戻った。

Volt_Fantasia

シルさん!これでいいですかー?
アルムくん、ありがとね!!

後で貴方の好きなクッキーをベイビールームに持って行くから、是非食べてね。

やったー!あ、それと…

君がアイト君だよね、はじめましてっ!

あ、はじめまして…。えっとアルムくんだよね!

よく僕の名前知っていましたね…。

ユウマから聞いたんですよー。

"好感触の社員と友達になったぞー!"って…。

是非、自分とも友達になってくれませんか? お願いします!!
萎れた花を元に戻す"再生"のスキル、素晴らしいです…!
もちろん!アルムくんも友達です!これからも宜しくお願いね!
こちらこそっ!
アルムとの交流を終えると、もう一匹のリリカルラビットがアイトの元に近付いて

話掛けようとしているが、どうやら緊張しているようでなかなか思うように喋れない様子。

Volt_Fantasia

緊張しなくて大丈夫だよ!深く深呼吸して落ち着いてから話してね。
心遣いありがとうございます…。ふーっ、何とか落ち着きました!
自己紹介させて下さいっ! 私の名前はアルです、宜しくねっ。
アルさんですね、こちらこそ!貴方のスキルも興味ありますー。
スキル…ですか? ちょっとこの場所で使うには少し危険で…。
えっ、そうなんですか…。
その時、アルのスキルを熟知していた社員の方が彼女のスキルを

求めてきたので「これはチャンス」と思い、アイトに見せようと試みる。

Volt_Fantasia

あ、あれ?ライターがない…。タバコ吸いたいのに、最悪だあー。

おーい、アルさん!いつものように頼むよ。

分かりました!
リリカルラビット"アル"のスキルは"着火"。限られてくるが火を付けることが可能。

メスでも火を扱えるのを見て、ちょっと大丈夫かな?と心配そうなアイト。

Volt_Fantasia

えっ、アルさんのスキルって要するに"着火"ですよね。

こ、怖くないんですか…? 心配ですよー。

正直このスキルを手に入れた時は「えっ、何で?」と思いましたけど…
こうやって私のスキルを必要としてくれている人がいるんで、火でも怖くないです…!
アルさんって、強いんですね…。自分も社員としてまだまだ…。

彼女みたいに強くならないと!

あら、アイト君は少しずつ進歩しているわ。

だって、ベイビー達の他にリリカルラビットとも友達になれるんだから…。

でも、リリカルラビットも奥が深いのよー。

相当前の出来事なんだけど、大陸「クロスウッド」でね…。

シルさん、その話はここまでにしといて下さいよー。ネタバレになっちゃいます…
(大陸「クロスウッド」かあー。どんな出来事だったんだろう…、気になるよー。)
あら、ごめんなさいねっ!

さてと…気付いたらこんな時間だわ。

ちょっと早いけど、アイト君、昼休憩とってきていいわよ。

分かりました!
二匹のリリカルラビット"アルム""アル"と交流を深めたアイトは

以前大陸「クロスウッド」でどんな出来事があったんだろう?と疑問に思いながら、食堂に向かう。


****


今日の限定メニューを頼み、食堂の椅子に座ろうとすると

ゴラゴランちゃんが「一緒に食べよう!」と笑顔で挨拶してきたので、いいよ!と受け答えするアイト。

Volt_Fantasia

そういえばゴラゴランちゃんと一緒に

昼食食べるのは初めてだね!普段どういう物を食べて…

えっ…!プロテイン、鶏のささみ、ヨーグルト、豆腐、ゆで卵…。

マッチョが好む食べ物だよね…?

バブブ―!バブッ♪ バブー!
えっと…。ベイビールームから持ってきた。一緒に食べよう!ですね…。
バブー!バブッ!!
ありがとね、ゴラゴランちゃん!でももうお腹一杯なんだ…。
その時、アイトのお腹を突拍子もなく触り出すゴラゴラン。

Volt_Fantasia

えっ、な、何ですか…。ちょっとゴラゴランちゃん…

あまり僕のお腹を…触らないで…あっ!!

バッブー!!バブブー!!
えっ、お腹が出てるって…。気にしていたんだけどなあ。
でもゴラゴランちゃんと一緒にトレーニングすれば、

すぐに改善しそうですね!指摘してくれてありがとね。

バ、バブバァ♪
****


昼飯食べ終わって、人事部に戻るとティムちゃんやミントちゃん、

そしてオルガくんとまだ見たことがないベイビー達が何故か勢揃いしている。

Volt_Fantasia

只今戻りましたー!
あ、あれ…?

何か騒がしいと思ったら、ミントちゃんにティムちゃん…

そして見たことがないベイビーもいますね…。

その時、一緒に昼飯食べたゴラゴランちゃんも人事部に来て、列の最後尾に並び始める。

Volt_Fantasia

あら、アイト君戻って来たのね!
あっ、はい…!こ、これは何の列ですか?
今日からベイビースマイルコンテストのエントリー開始日なのよ。
あっ、だからミントちゃんもティムちゃんも受付をしているんですね!
バブー♪ バッブー♪(今度は1位を獲るんだから!)
バッブブー♪ バブッ♪(私だって目標は高いよ!)
ライバルの目していますね!

誰でも1位獲れるチャンスはありますから、皆さん頑張って下さいねっ!!

(個人的にティムちゃん応援してるよー。頑張ってね…!)
あっ、そうだ。アイト君、今度のベイビースマイルコンテストは

アイト君も審査員として加わって欲しいのよ。構わないかしら?

えっ、僕がですか…。

でも、まだ入社して1週間ぐらいしか経っていません。

そんな僕がこの街の偉い方に混ざって、審査していいのですか…?

これも経験よ、アイト君…!
ただ、審査するからにはきちんとやって貰うので、そこは宜しくね!
わ、分かりました…!
いつ開催されるのか分からないが、いきなり責任重大な

ベイビースマイルコンテストの審査員をやる事になったアイト。今日からエントリー開始された為

ベイビー達はいつもより綿密に調整に入る事だろう。


そしてアイトが昨日BABUの社外で見たベイビーの事をシルフィーナさんに聞いてみる。

Volt_Fantasia

あ、そういえばこの会社に

白髪で、瞳の色が赤くて、口元から下向きに

牙みたいな歯が生えているベイビーっていますか?

いや…そのような容姿のベイビーはいないわよ。

そんなベイビーがいるんですか? 多分当社の社員は誰も知らないと思います。

あっ、そうですか…。

昨日退社した時に見掛けたもので、ここのベイビーかと…!

でもこの街は色んな所にベイビーがいるから、その一人じゃないかしら…。
考えてみたら、そうですよね!
****


今日のアイトの勤務は終了。帰り支度をして退社をするべくオフィスビルを後にすると、

ゴラゴランちゃんに指摘された自分の腹部を見て何かを決意する。

Volt_Fantasia

確かにこのお腹はみっともないなあ…。
よし!今日からダイエットだ!!絶対に痩せてやるぞー。
彼はダイエットを決意し、自宅までランニングして帰り出す。

そして、その光景を見るゴラゴランちゃん。

Volt_Fantasia

バブー!バブブー!!(頑張れアイト!)

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登場人物紹介

アイト

ひょんなことからBABUの新入社員になった少年。

ベイビー、未来とティムのファン。

シルフィーナ

BABUの人事部兼秘書の女性。

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