4.妖精王からの手紙
文字数 2,067文字
屋敷の隅にある物置小屋。
ゴミ捨て場として使われているそこに集結した一同。
積まれたガラクタの山からゾンビの手により掘り出された、元は綺麗であったであろう埃に塗れてあちこちへこんだ筒が四本。
皆で手分けして筒の中身を取り出すと、中には大きめの上等な紙が丸められて入っていた。
広げてみると、そこには文字が書き綴られている。
誰がどうみても手紙である。
どれ、続きはアタシが読んでやろう。
さらに一週間後の日付で来てるな。
・・・一応丁寧な言葉を選んではいるが、つまるところ「国を挙げての招待に返答なしとはどういう了見だ、嘗めてんのかお前ら」といったところか。
小国とはいえ王の就任祝いが菓子折りひとつだ。
高級品には違いないが、国対国の贈答品としては土台にすら上がらん。
表面上は国王として祝辞を述べてはいるが、対応自体は大国が一地方領主に対する程度のシロモノだ。