11.第一回戦・女神の慈愛、兎の奉仕
文字数 3,828文字
ダイヘルムの声にそちらを振り向けば、向こうの二人は既にセットの中に入っており、今まさにがっちゃがっちゃと音を立てながらダイヘルムがベッドに潜り込もうとするところであった。
すぅ・・・
その言葉と共にダイヘルムの姿が掛け布団に覆い隠され・・・
うおおおおおおおおおおおおお!!!
頭から布団を被って寝息をたてるダイヘルム、そしてお玉を手にベッドに近づくリトルキャーロット!
・・・おっと?
だがリトルキャーロット、お鍋を忘れているぞ!?
これではカンカンやって起こせない!」
平静を装ってはいても初の夜トギ、緊張するのも無理はない。
だがワシの方から助け船は出せぬ。
これはあくまでもアーマ・シュクレイムとコニー、貴様の戦いだからな。
自ら活路を見出だすのだコニー!)
がっきーん!
がっきーん!
ええ分かっております。
普段このようなお遊び事にお声を掛けて頂きましてもなしのつぶて。
その折に魔神王との戦が始まり、その一因に私の弟が関係していたことにお気付きになり、これ幸いにと私を試合に組み入れたのでしょう。
国家の威信が掛かっていることに偽りないことは重々承知しております。
試合を投げ出すことなどありません。
ただ・・・
私の可愛い弟バーニィをダシに使ったこと。
・・・それについてはお覚悟なさいませ?
どうやら試合の人選にダイヘルム王の私的な事情が混じっていた様子。
私欲に対する私刑が始まろうとしております!
試合は一体どうなってしまうのか!?
対する魔神王はまだ部屋にすら入っていないっ!」
「やる気あんのか!」
「金返せ!」
「いや、そんなことはどうでもいい」
「ああ、ということはだ?」
「「「すげぇぇぇぇ!」」」
「「「ヘンタイ王だ!!!」」」
・・・・・・
・・・・・・・・・
あのあとも『マズいご飯を食べさせる』、『掃除のふりして殴り付ける』など、病んだ行動に終始しておりましたが、リトルキャーロットがデレることはついにありませんでした!」