第24話 山奥の大狸

文字数 143文字

 私の家には定期的に若い男が送られてくる。大抵縄で縛られ、目隠しもされ、私の好きな花で飾られている。
 この男もそう。
 いつものように自由にしてやる。
 飛んで逃げるかと思いきや、男は目を丸くして私を見た。
 大狸が珍しいのだろう。
 そう思ったあの日の私は、夫という人間を分かっていなかった。
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