第31話 死がふたりを別つとも

文字数 140文字

 歯をすべて水晶の差し歯にした。ペンダントとピアスの石もダイヤモンドにし、青白いドレスとクモ糸のヴェールも身にまとった。ドライフラワーのブーケを持つと彼が骨張った手を私に差し出した。
「手を」
 はにかみながら手を取ると古びたラッパの音が鳴った。
 死んでも待ち続けた結婚式の始まりだ。
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