第10話 2020.10.20 姉の連絡先を知らない

文字数 2,364文字

朝は7時くらいに目が覚め、何故かガバッと飛び起きた。
次の瞬間「しまった!まだ基礎体温測ってないのに動いちゃった!」と思ってそこでそのまま停止して検温。
うん、意味ない。
なぜならその時体温36.94度と高かったのにその後すぐ生理がきたので、やっぱり動いてしまうと体温が上がってしまって意味がなくなる。

お腹痛い痛いダンスを踊りながら出来る限りの家事をする。
生理にはコーヒーはあまりよくないのは知っているが飲んでしまうのは惰性なのだろうか。
いつもカルディで200g500円くらいの豆を買っていたら夫にもっと高いのの方が美味しいらしいよと言われまあそうでしょうねと思い今は200g800円くらいの豆を飲んでいる。
やっぱり値段に比例するのか。
緑茶も値段だという。
しかし日常的に消費するものとして値段とクオリティは折り合いをつける必要があると思うのだ。
しかしいつものより美味しいなこのドイトンコーヒーというやつは。

シアトルに住んでいる弟の嫁ちゃんから久しぶりにラインがきた。
エアメールを送りたいが、住所が変わっていないか確認したいとのことだった。
なんて気遣い出来る嫁なんだ。
うちに嫁に来てくれてありがとう。
私は念のため自分の住所と半年前に変わった苗字を伝える。
エアメール楽しみ。

弟嫁ちゃんから姉の住所も聞かれたので、年賀状のやりとりをしてたかもと思い手紙BOXを探してみたが見つからない。
仕方なく「わからなかった」だけで返事をしようと思って思い直して指を止めた。
私から姉へ半年前に結婚報告メールした時返信がなかったのを思い出し住所を聞くのを口実に久しぶりに連絡を取ってみようと思ったのだ。
姉夫婦も神奈川県に住んでいるはずだが全く連絡を取っていない。
姉は精神疾患を持っているらしく、もう長い間通院しているらしい。
薬を飲んでいるので子供も作れないと言っていた。
本当はお酒を飲んじゃいけないらしいがこっそり薬を減らしてたまにお酒を飲んでいた。

最後に姉と連絡を取ったのがいつなのか思い出せない。
結婚報告メールを送ったメールアドレスも使われているかわからない。
もしかしたら変わっているから届かず返信がなかったのかもしれないと思い、メールするのはやめて読んだ本を記録していく読書メーターというSNSのメッセージ機能でメッセージを送ってみた。
読んだ本は毎月更新されているのでこのSNSは見ているだろうと思ったからだ。
実の姉なのに個人的な連絡先がわからずSNSのメッセージを使うというのが少し情けなく思ったが単純にこれが現実なのだ。
悲しいと思ったのは私に古い価値観があるからだろう。

一日経っても姉からの返信はなかったがSNSは更新されていた。
返事はもうこないかもしれない。
家族とはもう二度と連絡を取りたくないという返事が届く夢を見た。
夢なのか現実なのかわからず、起きてから色んなメールボックスを開いて探してしまったがなかった。

父親にメールして姉の住所を聞いた。
少しして母親から姉の住所が送られてきたが「郵便葉書戻る時あるけど」と添えられていた。
え?それってもう住んでないんじゃないか?でも姉は母親と縁を切っているのでもしかしたら実家から届く葉書を送り返したりしているんだろうか?わからないが、とりあえず親に礼を言って弟嫁ちゃんにも連絡する。

エアメールは届くのだろうか。
送らなくていいんじゃないかと言った方が良かったんだろうか。
住所を調べて教えるなんておせっかいしない方が良かったんだろうか。
わからない。
送るかどうかは弟夫婦が決めるだろうし送られた姉がどんな気持ちになるかもわからない。
ただ、私は私のやりたいと思ったことをした。

人付き合いというのは時に強いストレスになりうる。
私は母親との付き合いがそうだ。
姉は母親が原因で精神疾患になったと言っていて今は関係を絶っている。
私は関係を断つほどではないが、とにかくめんどくさいので出来るだけ関わるのを避けている。
夫と同棲する時も入籍した時も全てメール報告で済ませた。
全然会いたいという気持ちが湧かないのだ。
以前は会いに行かないと親がかわいそうだと思って定期的に帰省していたが全然楽しくないのだ。
前夫は私の母親が嫌いで一緒に帰省するのを拒否していたので一人で帰省していた。
しかし自分が磨耗していくだけの行動が辛く今はもうやめてしまった。
私が自分の幸せを優先する方が親は幸せだろう。
親が私に会いたいのなら自分たちで何かしらの行動を起こせばいいだけのことだ。
もちろん大切には思っている。
元気でいてほしいと思っている。
本気だ。
ただ合わない人というのはいるものだ。
家族だから一緒にいて楽しいとか安らぐというのは違うと思う。
家族じゃなくても安らぐ人はいる。
「家族だから」の呪いにかかりすぎると姉のようになるんじゃないかと思う。
責任感が強すぎたんだろう。
母親の老後を世話するのが嫌だとずっと言っていた姉を思い出す。
自分がしなきゃいけないという強迫観念のようなものが姉を苦しめていたんだろうか。
病気になったことを免罪符に逃げ出すことに成功したんだろうか。

夫はいつか静岡の実家をもらって住むのもいいなと言っているので、もしかしたら将来実家に住むかもしれない。
それは別に構わない。
土地はたくさんあるので夫の好きなバスケのコートも三面くらい庭に作れる。
その目論見に向けてあやちゃんはもっと親と仲良くしてよ!と言ってくるのだが、仲悪くはない。
別に嫌いじゃないし、とても大切にされているし、仲良しじゃないだけだ。
きっと私たち夫婦が実家に住みたいと言ったら喜んでくれると思う。

こんな話をしていたから昨日は飲み過ぎてしまったのだろうか。
気づいたらリビングで寝落ちしていた。
何かで聞いた化粧したまま寝ると三年老けるは嘘という言葉を信じたいところ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み