第16話 2020.10.26 区役所へ

文字数 2,531文字

今日は9時半頃に夫に起こされて起きる。
リビングに行くと夫がコーヒーを入れてくれた。
昨日朝ご飯用に買っておいたセブンのポンデケージョと塩パンを夫が温めてソーセージをチンして目玉焼きを作ってくれた。嬉しい。
人に用意してもらうご飯と言うのはとても嬉しい。
塩パンはいつも通り美味しかったが、初めて買ったポンデケージョは私の愛するそれとは違った。
夫は餅と表現していたが、本当にもちもちを通り越して餅だった。うん、リピなし。

夫が退職したので年金と健康保険の手続きをしに区役所に行かなくてはならず、今日一緒に行く。
離職票があると確認し、二人とも年金手帳を準備。
自転車で区役所へ。
近所の区役所があると何かと便利で良い。
お昼すぎくらいの時間に行ったらかなりの人が待っていた。
一度非常事態宣言中に来たときはガラガラだったので今はかなり日常に戻ってきているんだなと実感。
入り口あたりの案内の職員さんに用件を話すと先に記入する書類はないようなのでそのまま番号札を取りに行く。
国民健康保険の窓口は8人待ち、年金窓口は2人待ちだった。
両方とって待つ。
間も無く年金窓口に呼ばれる。
夫と二人で椅子に座るが、夫から「話して」と全振りされる。
用件を窓口の人に伝えると、必要書類を伝えられる。
離職票が必要なので夫に言うと「PDFです」と言う。
明らかに困る職員さん。
退職日も微妙だったので紙を印刷して翌日出直す事にする。
必要書類を確認する。
また少し待って次は健康保険の窓口に呼ばれる。
やはり離職票がPDFでは手続き不可能だった。
明日出直すこととして、必要書類を確認する。
ここまで職員さんと会話したのはほぼ私で夫も発言したが何故か私を通して職員さんと会話していた。
彼は事務手続きに関しては衝撃的に苦手なのだ。
頭の中がフリーズしているのかもしれない。
私は元々営業事務をしていたこともあり間に入ってやりとりをすることは得意だ。
それでも離職票を印刷してなかったことを知らなかったし夫が手の内を全て私に見せてくれないので今回はスムーズにいかなかった。
別にスムーズにいかないことなんて会社では日常茶飯事だし、近所なので翌日また来ることも負担ではないのだが少し今日はなんだったんだろうと思う。
二つの窓口で話終わった後には夫は不機嫌になって足早に外に出て行ってしまった。
どうやら自分ができないこと、私に全て任せた事に自尊心を傷つけられたらしい。
そうなのかとびっくりする。
夫が苦手なのは知っていたので、できる私の方がやればいいと元々思っていた。
少しだけ様子をみたが、秒でいっぱいいっぱいになっているのを見て即攻守交代した。
最低限のことだけ夫に確認して、チームワークばっちりと思っていたのに落ち込んでいたとは思わなかった。

区役所を後にして、電車でアウトレットモールへお出かけした。
先頭に座れたので運転手気分でとても楽しく過ごした。
アウトレットは驚くほど混んでいて、ぐるっと見てみたが夫も私も特に欲しいものはなく、雰囲気だけ感じて早々に退散した。
少しだけ海に寄って缶ビールを買って家に帰った。
夫は家が一番落ち着くらしい。
出かけていてもすぐ帰りたいと言う。
私がリングフィットや洗濯をしている間に夫は少しお昼寝して、夕方お好み焼き屋さんに向かった。
しかし何故かやっておらず結局いつもの立ち飲み屋さんへ。
串焼きを摘みながら瓶ビール一本飲んで私はもうお腹いっぱいになり早々に会計する。
しかしもう一杯飲みたいと言う夫と二軒目に初めて入るお店へ。
座ると飲めてしまうのか、4〜5杯飲む。
夫の新しい仕事の話を聞く。
夫はよく壁打ちのように私に仕事の話をする。
私は思ったことを返す。
特に実のあるアドバイスができるわけではないかもしれないが、夫の気持ちや考えの整理ができるといいなと思っている。
そしていつも向かいに座るのだが酔いが回ってくると必ずかわいいねと言ってくる。
今日はあやちゃんがかわいいって言える子で良かったと言われた。
よくわからなかったが、ブスだったらかわいいって言えないじゃないと言う。
ふむ。褒められているのでとりあえず喜んでおくが、こういった外見を褒めるとかけなすとかを夫はナチュラルによくする。
私も古い人間なのでその気持ちはわかってしまうが、これからの時代それはかなりアウトだろう。
飲みの席だからとかはもちろん通用しない。と言う話をうまく夫に話すことができずにいるので、いつかうまいこと伝えられたらいいなと思う。
私は説明が下手なのでうまく言えないが、〇〇だから〇〇というのは危険な考え方だと思う。
かわいいから好き。
ブスだから嫌い。
優しいから好き。
お金持ちだから好き。
〇〇してくれるから好き。
プラスのように見える言葉はそのまま嫌いの可能性を孕んでいる。
二項対立なのだ。
かわいくなくても、優しくなくても、お金持ちじゃなくても、〇〇しなくても、その人はそのままでいいのだ。
誰かに好かれたくて何かを演じてしまうのは不幸の始まりでしかない。
その人がその人だから好き、だけでいい。
別に夫が悪いとか古いとかどうこうと言う訳ではない。
なんとなくそんなことを考えた。

私は愛嬌はあるかもしれないが正直世間一般で特別かわいいと言われるような造形ではない。
もちろんめっちゃかわいいが、それはものすごく夫と私の主観だ。
だから夫が私をかわいいと思って幸せを感じるのはとっても嬉しいことなのだ。
誰かと比べている訳ではなく、目の前の私を見て幸せになってくれている、なんて最高じゃないか。
それを私が「可愛くなきゃ愛されないんだ。価値がないんだ」とか言い出して思い詰め始めたら悲劇だ。
そんなこと夫は求めてないだろう。
あれ、なんの話だったか。
えっと、今日も私たち夫婦はラブラブだって話になってしまった。
あ、そうだ、でも人に容姿のことを言うのは要注意だと言う話だった。
私もつい人の容姿をあげて話してしまったりすることがあると思うので注意しよう。

かなり酔っ払って最後にコンビニに寄って缶チューハイまで買ってきたが大体そういう時は帰ってきて飲む元気はない。
夫は熱いお風呂に入って寝てしまった。
明日また区役所に行かなやきゃいけないので私も早めに寝ようと思う。
おやすみなさい。
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