第17話

文字数 1,230文字

 珍しい人から連絡があった。
彼女とは一〇年以上前に知合った。きっかけは当時、私はあるブログを書いていて、それにコメントをくれたのが最初。
そのブログは長い間、何故か全国一のアクセス数を誇っていた。内容はつまらない日常で、今のように悪劣極まりない文章ではなく、良識人を騙ったものであった。まあ、ブログが流行り始めた当初でもあり、たまたまだったのだろうが。途中、グーグルに吸収され更新に手間取った為、悪態をつく文章を二、三あげた後削除した。
その時期、偶然近くに住んでいる事が分かりやり取りをした仲だ。それも切れ切れで、途中、彼女も結婚や出産をしたようで私は殆ど忘れていた。
最初、会いたいという事で街中の喫茶店で話をしたのだが、当時は小柄な平凡な女子という感じだった。医療事務をしながら、小説を書いているとの事でプロットを見せて貰ったりしたが、内容はよく覚えていない。
そんな久しぶりの彼女からのメールには「又、小説を書き始めました」というものだった。文学大好き女子である事は知ってはいたが「何故に? 」と返信を送ると、延々と思いを綴った文章が送られてきた。
長い文章を辿っていくと、文学に対する愛情や情熱もさる事ながら、結局、名声と金が欲しいのだと分かる。(女の文章はやたら自分を正当化、美化するが、書けば書くほど情念や野心が透けて見える。最近の文学賞作品でもすぐ気を抜くのか「広くて綺麗なマンションの一室で得体の知れないハーブティーを飲み始める」のが女だ。)
三分の動画を見るのに精一杯の私だが、たまに芥川賞の掲載された月間文学誌は買う。作品の殆どは途中で飽きるのだが、山田詠美氏の批評だけは欠かさない。この人、結構、古臭い文化にも詳しく、クソミソに批判するのが痛快だ。
最近、女性受賞者が異常に多いのは女の性や業に寛容になっただけではなく、女流作家が増え審査員に女性が幅を利かせ始めたのも要因だと思う。
完璧なプロットの後、女の業で疾走する湊かなえが売れたのも頷けるし、作家様という社会的地位と夢の印税生活に執念を燃やし始めたババアが多いのも寛容な社会背景があっての事だろう。山田氏のような批判を男がしたら多分嫌われる。
まあ、書きたきゃ書けばいい。
只、女にモテない童貞男や男をよく知らない凡庸女の書くものなどたかが知れてる。だから書籍は売れないのだ。所詮、小説も漫画も音楽もダンスも映画も同じレベルの娯楽に過ぎない。小説家だけ偉そうにしているのは間違っている。
これからは貧富の差が拡大し、サラリーマンは一生絶対に金持ちにはなれない時代がやってくる。それに加えて資質の足りない若者達、目に見えない物を理解できない大人達。クソみたいな歌が蔓延り、コンプライアンスと言葉を変えた検閲に牽制しあう世の中だ。大した文化なんか生まれる訳がない。
反省が本能的に出来ない女性諸君、娯楽はタダが当たり前なのだよ。
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