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文字数 278文字



古い写真の中の僕
誰に向かっているかわからない笑顔
でも何処かで嬉しそうで
でも何処かで寂しそうで
その一瞬を切り取られて
まるで別人のようだ
あの頃と同じものを
反対側で見つめながら
良くも悪くも裏切られた未来に
写真の中の僕の事を
まだ知らない分だけ
ほんの少しだけ羨ましく思った
若さを理由にしてしまう事もある
経験値を理由にしたくない事もある
その時々での精一杯が
伝わらないもどかしさに
悔しい思いをしてきた
だいぶマシに色んなことを
振る舞えるようになって
今は小狡く生きている
写真の向こう側の
僕に何か伝えられるとしたら
秘めている想いは
間違えではないからと
そっと背中を押してあげたい
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