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文字数 571文字



特別な大人になりたかった
誰かのために自分のために
それが夢への近道だと思っていた
憧れの職業とか誰にでも平等に
扉が開いているとかは
大人になる前に夢物語だと
少しずつ気がついて
いつのまにか取捨選択していて
でもその中には無知だったから
捨てなくてもいい夢があったり
捨てずに残したものの中に
そもそも手に入れられないものが
さも当然のように陣取ってたり
気がついた時には結局
誰でもが足を踏み入れられる
そんな単純な大人の階段を
登り始めていた
そして特別を今から手に入れるには
時間も労力も必要以上に
もがいて遠回りする事と
唐突に突き付けられる
たくさんのヒントやきっかけは
割とあちこちには落ちていたのに
目の前の楽しみに目を奪われて
生きていくうちに使えるはずの
楽な事を使い切ってしまったくらい
どの歯車とも噛み合わない
それでも乗れただけマシらしい
遠い憧れの分岐点は
いつの間にか自分から
捨ててしまってるから
そうやって結局1番なりたくなかった
そんな大人に今僕はなってるのだろう
ダサくて臭くて子供のままで
プライドだけで生きている
だけど生きてる紛れもなく今
少しだけ軌道修正する
スキルと知識を身につけた
まだ間に合うから時間はあるから
ほんの少しだけ夢を見させて
特別は時間とともに変わる
あの時ダサくてなりたくなかった
大人からもう少しだけ
あなたのために自分のために
小さいけど特別な大人になろう

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