文字数 364文字



沸々と湧き上がる感情
初めて知るその気持ち悪い風は
僕のあらゆる隙間から入り込み
たくさんのゴミを散らかして
つけられるだけの傷をつけて
今日もまた吹き抜ける
昔からこの世界を旅している
あの人が冷たく教えてくれた
いちいち気にすることはないよと
暇人は相手にする事もないし
面倒なら窓を閉めて傍観してなと
そしてあの人はまた旅立っていく
拾う価値があるものがたまにある
そんなことだけ言い残して
僕の世界はまだ未熟で
小さなかけらの寄せ集め
世界に広がっている
その未知の果実は
甘酸っぱくてよくわからないモノ
でもみんなが美味しいと言うから
きっとコレは美味しいんだ
だからたくさん集めて
食べていたいのに
あの人に殆ど捨てられた
もっと他の味もあるよと
別の果実をくれた
また違う甘酸っぱさが
身体中に広がった
そんな果実も風に連れられて
流れては消えていく
そしてまた僕を掻き乱す





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