ワリカン

文字数 581文字

 いつもの合コン。
 男女5:5で開かれた会はちょっとイケてる隠れ家的なお店を女性陣も気に入り、和やかにスタートした。

 男性陣は30歳ぐらいの会社員のグループで、女性陣は女子大生である。

 幹事同士があるイベントのアルバイト関係で知り合い、そういう流れになった。
 男性陣は女子大学たちの若さと可愛さに、終始テンション高めであった。

 その美しいアリサという女性が突然、逆上したのは会計の時だった。

 会社員が会計をワリカンにしようと言い出した途端、幹事は足蹴にされていた。
 会社員たちの顔が蒼白になっていく。
 黒いブーツが幹事の頬をえぐる。

「さて、質問です。女性が妊娠して出産するまで何ヵ月かかるでしょうか?」

 アリサはメガネをかけた細見のサラリーマンを見ながら問いかけた。

「それは10月10日(とつきとうか)だろう」

 そんな当たり前のことをなんで聞くんだという口調だ。

「その間、女性は身動きも不自由で働くこともままならない。そんな状態で旦那さんがお金を渡さなかったらどうなるの?」

「それは………」

「わかったなら、お会計はあなた達が持ちなさい。安い授業料で良かったわね」

 アリサは颯爽と席を立った。
 女性陣もあとに続く。
 
 婚活の女神アリサのダメだしはまだまだ続く。

 ただの無銭飲食という説もあるが。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

神様

織田信長の神霊説もある。

神様の助手

黒髪の童子。

石田三成(いしだみつなり)

某戦国武将と同姓同名の男。
チートなスキルをもつ非正規社員である。

島左近(しまさこん)

某戦国武将と同姓同名の男。
三成のコンビニバイトの副店長だった。

婚活の女神アリサ


三成と関わりを持つようになる。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み