帰ってきた総統

文字数 1,012文字

「総統と言えば、まさか、ヒトラーさんですか?」

 つい言葉遣いが丁寧になってしまったが、石田三成は思わず尋ねた。
 ちょび髭のドイツ人風の男が答えた。

「そうだ。アドルフ・ヒトラーだが。君が石田三成君かね?」

「そうですが」

「少し話がある。一緒に来てくれないか?」

 鋭い魔術的な眼光が三成を射抜く。

「では、ご一緒させて頂きます」

 誘い込まれるように光成は答えてしまう。

「左近殿もいいでしょうか?」

 真田幸村が確認してくる。

「三成と一緒でいい」

 左近に異論はなかった。

「では、総統の後に」

 幸村が総統の後に続いた。

 総統はまるで人民服のようなダークグリーンの軍服風の服を着ていた。
 人口湖のそばにある地下鉄の入り口を降りていく。

 地下に降りると、従業員入り口からエレベーターに乗る。
 数分かけて降りたところには地底湖があった。

 鍾乳洞のような空間に半径数十メートルの地底湖が口を空けている。
 そして、当然のように小型の潜水艦が船着場の横に浮上していた。
 
「あれに乗って、しばし地底の旅を楽しんでくれたまえ」

 総統は振り返って、にこりと笑う。
 その無邪気で魅力的で剣呑な笑い方は、少し信長に似てるなと三成は思った。 




(あとがき)

 「帰ってきたヒトラー」という映画が、8月から各地で、おそらく、小さな映画館で公開されるんですが、ちょっと観てみたいなあと思ってます。

 ヒトラーがタイムスリップして現代社会で蘇ってコメディアンになるというお話ですが、やっぱり、ヒトラーはヒトラーなので、人々を魅了してしまう。
 コメディだけど、ヒヤッとする怖さもある映画みたいです。

 あと、庵野監督の「シンゴジラ」が名作になってるみたいで、映画批評で90点とかになってます。
 これも観てみたいですね。


映画「シンゴジラ」感想 あらすじ解説 エヴァの監督が新作を延期してまでやりたかったこと。 ※ネタバレあり
http://monkey1119.hatenablog.com/entry/2016/07/29/043619

映画「帰ってきたヒトラー」(2016年8月ごろから公開)
http://gaga.ne.jp/hitlerisback/

上海ディズニーランド 攻略ガイド 2016 
http://tdrnavi.jp/tour/sdl/
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登場人物紹介

神様

織田信長の神霊説もある。

神様の助手

黒髪の童子。

石田三成(いしだみつなり)

某戦国武将と同姓同名の男。
チートなスキルをもつ非正規社員である。

島左近(しまさこん)

某戦国武将と同姓同名の男。
三成のコンビニバイトの副店長だった。

婚活の女神アリサ


三成と関わりを持つようになる。

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