ある日、監禁状態に置かれたアストルフォは、姿を見せない部屋の主から、ある期間の記憶を回顧する様に求められる。
思えば、地熱発電を生業とする彼は、新天地で元軍人の専門業者グレイソンとその部下、自社の技師レオ、郡から派遣されたスカイラー、国の指導員のベンジャミンらと少しずつ親交を深めていたが、彼らの当たり前の日常は、活火山のもとで震度階級Ⅰの地震を看過した上で成り立つ、危険と隣合せの儚いものだった。
自らを語り続ける監禁生活は、同じ境遇におかれたブレーズ、コービンを加えながら、日々確実に過ぎ、アストルフォが監禁された理由、かけがえのない時間を奪われた理由を、ゆっくりと浮き彫りにしていく。
部屋の主は、それを必然と言う。
全てが明らかになった時、アストルフォは、事実を受入れる事が出来るのか。