雑談・ドールのおはなし・Ⅱ

文字数 1,953文字

二人が出掛けちゃったから、一人寂しく語るわよ。(フェイクあり)
2023/11/05 23:58
ろんぐろんぐ、あ、ごぉ~~

舞台は、とある海辺の民宿、柿はそこのバイト学生。

登場人物は、夏合宿に来た学生サークルの若者。


う~~ん、こう書くと、夏怪談が始まっちゃいそうね。本当にホラー話ではないのよ。


サークル学生は毎年来る人たちで、

柿も顔見知りになって、一緒に花火したり仲良く遊んでた。

ある時、男子の一人(A太郎としよう)が、浜辺で人形を拾ったんだな、

けっこう大きめの奴。

2023/11/06 00:04
で、男子って大勢になると気が大きくなって、ヤンチャが過ぎたりするでしょ。

古い薄汚れた人形だったから、怖い怖いって笑いものにして、

誰かを驚かせるのに使ったり、投げたり振り回したりしてたのよね。


したら、女子で神経の細やかな子(Bちゃんとしよう)が、夢を見たと。

人形がしくしく泣いている夢を。

2023/11/06 00:10
やめてぇえ~~

帰って来たらクライマックスじゃないか~

2023/11/06 00:11
何買って来たの?

栗ようかん?

2023/11/06 00:12
切って来るから、続きを話してなさい。
2023/11/06 00:13
人形を拾った張本人で一番オモチャにしてたA太郎は、それを耳にしてビビった。

んで、人形を見てくれと、私んトコに来た。

何でかっていうと、霊感があると思われていた(ぶっちゃけそんな物は無い)


まあ、悲壮な顔で頼って来るから、

ちょっと人形を見て、「何ともないない大丈夫♪」と言ってあげればいいかなっと。

(民宿が古くて使ってない部分が多かったから、怖がる女子が多くて、

「ダイジョブ、ダイジョブ係」をしている内に、対霊強者だと思われていた)


で、置いてある部屋の戸をガラッと開けて

2023/11/06 00:18




あ、ダメだ・・」 と、つい口から出ちゃった。




2023/11/06 00:22
ぎゃああああ――!

オカルト寄りじゃない話だって言ったじゃないかあ~~

2023/11/06 00:23
栗の多い部分もーらい♪


だってねぇ、誰が見たってふつうじゃなかったんだもん。

霊感の無い私ですら……

いや、詳しく話すと本当に場違いになっちゃうから、飛ばして次行くね。

2023/11/06 00:25
勘弁してよもぉ・・

はい玄米茶、熱いから気を付けて。

2023/11/06 15:59

モギュモギュ・・


結局A太郎を超怖がらせるコトになっちゃって、

Bちゃんが責任を感じて、近くでお祓い出来る神社を探して来た。

みんなでカンパして、朝一番に、A太郎がお祓いに行く事になったんだけど、


その夜は私が人形を預かった。

2023/11/06 16:04
何でだよ!
2023/11/06 16:04
だって、Bちゃんが言うには、

「皆が怖いって言うのが悲しい、しくしく」って泣いてたらしいから、

顔の汚れぐらい拭いちゃろうかなぁと。

2023/11/06 16:07
・・・・・・
2023/11/06 16:07
住み込みバイトだから同じ屋根の下なんだけどね。
2023/11/06 16:08
リゾートバイト~~
2023/11/06 16:09
ひぃいっ! いきなり後ろから帰って来ないで!!
2023/11/06 16:09
だから、オカ版方面に持って行かないで。

もう怖い展開は無いから。

2023/11/06 16:10
ホントに・・?
2023/11/06 16:11
部屋で、石鹸とお湯で顔の汚れを落として、衣装を補修して、

髪がずる剥けだったから、余り布で帽子を作って。

そしたら扉がコンコンとノックされて、

2023/11/06 16:14
う、うん・・(ビクビク)
2023/11/06 16:47
Bちゃんが、手伝うって言って来てくれた。

帽子を作ってるって言ったら、「じゃ、私は帽子に飾るリボンを作るね」、って。

やってると、他の女子もワヤワヤと訪ねて来て、

クレンジング貸してくれたり、アクセ付けてくれたり。

最後はメイクの上手い子がバッチリ仕上げてくれた。

2023/11/06 16:54
すごいな、女子の方が怖がりそうなのに。
2023/11/06 16:57
集団心理の一種じゃないかな。

男子が集団になると悪ふざけが過ぎるのと同じ原理で、

女子はひとたび「かわいそう~」ってなると、みんなが一気にそっちになだれ込む。

2023/11/06 16:59
ああ、うん、なるほど。
2023/11/06 17:01
柿ただちゃんはそんな風に冷めて観察してたの?
2023/11/06 17:01
うぅん、やっぱり集団心理の中で酔っぱらってたんじゃないかな。

でも、大勢に手を掛けて貰った人形は、大勢に「可愛い、可愛い」って褒められて、

最初の「ダメだ感」が失くなったのは、気のせいじゃないと思う。

2023/11/06 17:04
ふむ、確かにそれは、オカルトじゃなくて、

「ちょっとイイ話」カテゴリーかな。

2023/11/06 20:12
でも、オチはそこじゃないの。
2023/11/06 20:12
ま、まだ何かあるのか?

どんでん返しは勘弁してよ~~

2023/11/06 20:13
この話のベストメモリーは、

女子連中が力を入れ過ぎてキッラキラになった人形(化粧はおてもやん)を、

差し出されてご対面した時の、神主さんの困惑顔よ!

(柿とBちゃんは付き添いで、お祓いに着いて行った)

2023/11/06 20:19
ブフォッ!
2023/11/06 20:19
いや~~ 神主さんでもあんな顔するんねぇ。

吹き出さなかったのは、さすがにプロだったけれど。


ま、神職さんを笑顔に出来たんだから、こっちの勝ちよ。

2023/11/06 20:21
何の勝負だよっ!?
2023/11/06 20:23
少なくとも『怖』かったら、笑顔にはならないでしょ。
2023/11/07 11:33
う、うん・・
2023/11/07 11:33
その後は?
2023/11/07 11:33
普通に御祈祷頂いて、私達が帰ってからお焚き上げして下さったらしい。


A太郎もBちゃんも、その後特に何もなく、翌年も元気にやって来たよ。

ほら、オカルト要素なんて無かったでしょ。

2023/11/06 20:24
うん・・

ああっ、栗ようかんが、ようかん部分しか残ってない!

2023/11/06 20:37
ごちそうさまでした。
2023/11/06 20:37
のし柿にしてやる。
2023/11/06 20:27
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登場人物紹介

柿ただちゃん: 作者の代弁者。 渋柿の木の妖精。

妖精だけれど、人間の文化大好きで、俗物にまみれている。ポシェットの中は飴ちゃん。

だいちゃん: 解説とツッコミ担当。 謎の生き物。

とりあえず流れに逆らわない。

風すっか: たまに時空を超えて突っ込んで来る、新潟寺泊の風の妖精。

本気で飛ぶと、何かにぶつかるまで止まれない。好物は寒ブリ。

道祖神ちゃんA

道祖神ちゃんB

道祖神ちゃんB”

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