第53話
文字数 646文字
(エエ歳したオジサン二人が、目を潤ませ鼻水を啜りながら酒を酌み交わし互いの胸の内を曝
け出しぶつけ合った。しかも三時間近くも・・)
どんな光景だったんだろうかと順子は考えていた。関西風に表現するならば、ケッタイな光景
なのだろうが。それだけでは無い様な気もするし、何より、そのケッタイな光景の二人のオッサンが心を通わせた。男同士の為せる業なのか・・それとも、あの二人だから、なのか・・。
どんな風に考えても順子には答えが見つからない。しかも、そのケッタイな光景が劇的に事態
を好転させ大川が小型ソーラーライトの配置決めの差配を引き受けたのだから・・これまた理解に苦しむ。
実は、そのケッタイな光景の場所には大川に請われた北畠宮司も同席し二人を見守っていた。
その北畠宮司から後日、林田と共に、その時の様子を聞いたのだが詳細について多くを語らず、客観的なその時の様子だけを聞かされていたのだが、当の本人たちである竹田や大川もやはり多くは語らずに。只、互いの気持ちや想いは通じ合ったとだけ聞かされている。
そして本日、そのケッタイな光景のオッサン二人の竹田と大川、そして竹原と芳本に嘉山たち
が険しい顔付だが明らかに楽しそうに口論をしながら小型ソーラーライトの配置作業を行っている。