第97話 どうでもいいようなことを

文字数 485文字

 多すぎる観光客。外国人も、「人の少ない所に行きたい」と辟易するという混雑ぶり。
 いつも並んでいないラーメン屋も行列ができ、とにかく人が多い。商店街も人の交通渋滞、あきらめて流れに沿い、ゆっくり歩きながら人混みをかいくぐり、スーパーへ。
 店内は空いていた。
 なめこが2パック100円、エノキダケ99円… 家人の好きな小粒のイチゴ、228円、だったかな…。
 レジへ。
 何百何十何円です、とレジのご婦人。
 財布の中から一円玉を数枚出し、お金を置く所に置く。あれ、あと一円がない… 何百円かの百円を置き、何十円かも置く。だがあと一円がない! あれ、百円玉の後ろに隠れていたはずだが…
 後ろに客が一人並んだ。
 やばい、早くしなくちゃ…
 レジ嬢、「あと一円、欲しいですねえ」と、ゆったりと笑っておっしゃる。「うふふ」と笑われ、私も笑ってしまった。あ、すいませんすいません、と結局五円を置き、一円玉は嬢が手に取り、返してくれた。
 なんかニコニコ、自然な感じで応対されたので、何か嬉しかった。
 ありがとうございます。
 どうもありがとうございます。
 言い合って、お別れ。
 それだけの話…
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