第62話 姿勢のこと

文字数 739文字

 こないだ瞑想の体勢のことを書いて(右を意識したら真っ直ぐな姿勢が分からなくなって呼吸のベクトルが千々に乱れるという)、その後の発見。
「正しい姿勢」。真っ直ぐな姿勢… 左右を意識しないこと!
 天に向かって引っ張られることを意識すること!!
 天に引っ張られて生きてきたんだ、頭も身体のてっぺんに付いている。
 運命に引っ張られて。自分の意志・目的など、さして持たずに。

 たいして学もない… 哲学みたいなものにしたって、机上の空論は嫌いだ、生きた哲学、ニーチェ、キルケゴールが好きだ。…しかし彼らは哲学なのか?ニーチェというジャンル、キルケゴールというジャンルのような… 彼らにしても、自分の運命のままに生きた… 抗うことなく。
 モンテーニュと荘子は運命随順、無為自然を唱え、ブッダとソクラテスはそれぞれの仕方で真理を探究した。
 彼らに相通じるのは、「生きること」に大きな土台を置いていたことだ。机の上は、この土台の上ではママゴトの部品みたいにちっぽけなものだ。

 瞑想の姿勢も同じだ。頭で考えてするもんじゃない。生き難くならないように、生きやすいように、呼吸がし易いように、止まることなく繰り返し続けた「呼吸さん」にありがとう、と云うためにするのだ。
 時間は流れ続ける、今! と言った時、もう過去になっている。もし今を意識できる時間があるとすれば、この呼吸をよく、よく見つめることだ… 何も網膜を通してしか「見える」といえるものはないということはない。
 せっかく生まれてきたんだ、この身体をもって。ついでに、精神、心ももって。まずこの「自己」と呼ばれるものを大切にしないでどうする?
 まず自己をだいじにして… それから同様に、ひとに向かうんだよ。ひと、物、見えるもの、見えないものに…
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