第98話 「発達障害」について

文字数 1,229文字

「希望と絶望の間に」で検索してみれば、ダイヤモンド・オンラインとかいうサイトの【精神科医が教える】「絶望した人」だけが持つ凄いエネルギー、うんたらかんたらという記事が最初に出てくる。… たまに私のブログが最初に出てくる… この【精神科医が教える】のは「韓国で15万部のベストセラー、待望の日本版刊行!」であるという。
 よくやるよ! よく売り、よく買い! 【精神科医】が適当にイイことを言い、あなたの症状にあてはまる分類を表示し、こうした場合はこうしましょうと懇切丁寧に引導を渡してくれる! 区分けされた様々な症例、そん中に当てはまりゃ、しめたもの! ついでに《前向き》になれるパワーワードをねじ込んで… この本はあなたを指導します! 憂鬱症、絶望症の人必見、生きる携帯書、人生というマラソンのペースメーカーです!
 とまで言っているかどうか知らんが、「発達障害」という言葉が気になったので(この本とは関係ない)、ちょっと書きたくなった。

 ハッタツショウガイ。… しかし目くじら立ててこんなこと書かんでもいいか、言いたいことが決まって明確であるほど、書いててつまらんものはない。
 一言で終わる、何が《発達障害》かね? ずいぶんな言葉を発見、思いついたものだね! 逆に訊こう、「完全に発達したもの」は何なのかね? 「こうあるべきものがこうでなく、そうでないから本人が苦しむ、本人にとって障害となる」から、発達障害です、とでもいうのかね?
 いや、誤解しないで頂きたい、そのような症状で苦しんでいる方に向けて言っているのではない、そのような《精神的病》で苦しんでいる方をつくり出す、また食い物にする、この世の構造、システムに対して言ってるんだ。
 友達にもハッタツショウガイの人がいる… いや正確には「発達障害という言葉を当てはめられた」友達がいる… それで本人が楽になってりゃいい、薬飲んで、明るい本を読んで。それでよければヨシ! 良いも悪いもへったくれもない、本人がそれでよけりゃいいんだ。

 しかし発達障害って言葉、生き物に対する侮辱的な言葉でないか? カエルは? オタマジャクシは? 完全なる発達、かくあるべき姿こそ発達したあるべき姿であって、それ以外は未発達です、とでもいうのかね? 精神的なもの、人間的「発達」において、いったい何が未発達で何が完全発達なのかね? まして精神的なものに! 繰り返し言おう、精神的なものに! 不可視のものに!
 よくぞそんな言葉を開発したもんだ! 社会適応障害? ばかか? 《社会》に《適応》とは? この言葉は何を言っているんだ? 何も言ってやいやしない! 社会が正しく、それに従えない者は病気です、と言ってるようなもんだ… その社会ってやつが病気そのものだ… そも、社会なんて何なのかね? 病の定義は? 曖昧なものにゃ、何とでも言えるわな。
 まぁいい、またろくでもないことを書いた! ご立派ですぞ、【精神科医】! 歯も立たねえや。
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