第36話

文字数 476文字

ーーー品川の邸宅・リビング

翼が受話器を取る。ダイヤルを回す。

ーーー警察署の電話が鳴る。

警察「はい、110番です」

翼「(受話器を耳にあてている)」

警察「もしもし、事件ですか?事故ですか?」

翼「(受話器を耳にあてている)」

警察「もしもし、もしもし」

――ー品川コンテナ埠頭(時間経過)

辺りは暗く、真っ暗な空と倉庫群と濃紺の海が広がっている。

片手に持っていたバッグを足元に置き、血のついた翼の洋服に火をつけるボス。

しばらく炎を眺めていた。

ボス「(腕時計に目を向ける)」

……10日。

ボスの表情がふっと翳る。

灰色の夜明けと共に、ポケットに入れていたブルーのベルベットのマフラーを首に巻き、海に向かって歩き出した。

海に向かって歩く。

海に向かって歩く。

海に飛び込む。

ーーー品川の邸宅

点滅する赤色灯とギラギラと照りつける黄色灯で、昼間のような明るさだった。警察官やパトカーや救急車が門の前に次々と到着する。

邸宅の前で警察車両がとまり、後部ドアを、居合わせた警官が敬礼して開けると、刑事が降りてくる。

目を凝らし、霧が低く垂れ込めた邸宅を見つめ、顔をしかめる刑事。

――終――
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登場人物紹介

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


ボス

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


アキオ

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


幸子

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


翼(幸子の息子)

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