第25話
文字数 3,385文字
ブルー★ベルベット第59話
ーー銀座の小料理屋。
幸子はカウンターに座り、まな板の上でスッポンがさばかれる様子を眺めている。彼女はひらめのお造りと焼き松茸を楽しみ、一方のボスは酒を嗜んでいる。
2人にスッポンの生き血が出される。
初めてスッポンを食べる幸子。
恐る恐る生き血を舐める彼女。
「とても美味しいよ」とボスが言い、見本を示すように一気に飲み干した。
――品川の邸宅。
アキオが瓶ビールとグラスを持って翼の部屋に入ってくる。
1万円札を翼に手渡す。
時間経過・飲み干したビール瓶。
アキオ「翼、お姉さんがしたみたいに上手に舐めれる?」根本に添えていた指をほどき、感度のいい翼の反応にベッドの中で微笑し、「それとも、お前のお母さんがされてるみたいに、いいじめて欲しいのかよ? 今頃はきっとオヤジにいいようにおもちゃにされて、浣腸や肛門セックスをされて泣いて喜んでるよ」わざとそんなことを言ってみて翼の反応をうかがう。
翼が射精しそうな興奮に襲われつつ上半身を起こして叫んで言った。「でたらめ言うな!嘘だそんなの!」翼の表情が強張る。悔しさに目が潤んで泣きそうな声の翼。
それを見るとアキオのサディズムが躍る。
アキオ「あれ、知らなかったの?翼のママは、ゲスでどうしようもないアバズレだってこと。それがお前の母親なんだよ。犬なんだよお前のお母さんは」そう言って底意地の悪い笑みをたたえ、うれしそうにしゃべると、
翼「やめないと、母さんに言いつけて追い出してやるからね」言いながらベッドから出る。
アキオもベッドから降りて翼に吠える。
「ワン!ワンワン!」
翼はアキオから顔をそむけた。
机には、ツーピースのスーツをみにつけて、肩のところでふんわりとカールさせた幸子と手をつないだ半ズボンの翼が写っている写真がのってる。ストッキングの幸子の脚は、すらりとしてふるいつきたいほど美しい。その写真を手にとり、見ながらアキオは、「冗談だよ」と、翼のほうを振りむきもせずに、翼に言った。
翼が哀願したその声は神妙なものだった。
「お母さんがされていることを僕にもしてくれる?」翼はアキオにぴったりと身を寄せた。
アキオが大声で笑う。「(写真を見ながら)母親も母親なら、息子も息子だな、この変態親子! 僕のお母さんはアバズレですって言ってみろ! お前と同じで謝礼をもらって、おマタひらいてんだよ」アキオが言葉でいたぶりながら、翼にまとわりつくように腰をスリつける「幸子は本当にいやらしい女だ、え、いくら貧乏から脱却して、豪華な暮らしがしたいためとは言え、オヤジのチンポを咥えこむんだからな」
翼の顔つきが変貌していく。みじめさがこみあげ、耐えきれずにわめき散らす。
「やめろっ!それ以上言ったらぶん殴ってやる!」
アキオ「(写真の幸子の股間に鼻をつけて、匂いを嗅ぐ)ここへ俺のデカイの、ぶちこんでやるよ」
アキオを突き飛ばし、翼が服を着て部屋から飛び出していく。階段を降り、玄関から夜のとばりの中へ吸い込まれるように出て行く翼の後ろ姿。悔しさをこらえ、月の光に白く照らされた通りを落ち着かない足どりで進んで行く。
翼にとってこれほど惨めなことはなかった。しかし、アキオの言葉の与えた効果が出てくる。目の前に悩ましい幸子の裸身がちらついて、翼は狂おしい思いに駆られた。奴隷のように辱しめられておもちゃにされる幸子の姿。目の前で自分の母親が男たちに乱暴されるおぞましい姿が頭に浮かんできてしまう。
(翼の妄想)
「やめてっ! イヤア」幸子は乱れた黒髪をさらに振り乱して暴れながら叫ぶ。男たちが幸子に襲いかかる。パンティを引きちぎられ、尻をひっぱたかれ、四つん這いにされ、顔を踏みつけられながら押さえつけられ、舌を口にこじ入れられ、何人もの男たちに後ろからさしこまれていく。男たちが幸子を持ち上げ、向きを変えさせ、幸子は自分の中に出入りするものを見せられる。
雑踏を歩きながら罪の意識があるから何度もそのイメージを振り払をうと、翼は目をつぶり、やめろといったが、頭からふりはらうことが出来なかった。
ズボンの中で勃起が激しくいきりたってくる。
ーー銀座。通りの歩道をゆっくりと腕を組んで歩くボスと幸子。
そっと寄り添うように歩いていた幸子だったが、街燈の下で立ち止まり、ボスにしがみついた。
幸子「私、アキオさんが怖いわ」
ボス「そのうち、アイツに出ていくように言うよ」幸子の髪に唇をおし当てた。「軽井沢に今家を探している。向こうで二人だけで、静かに暮らしたくはないか?」
口を閉ざし、ボスの顔を上目づかいに見る幸子。「軽井沢?」無感情な声で幸子は言った。
白い顔によく映える官能を刺激するような唇がキスをせがむようにふっくらしている。震えがくるほどの悩ましい澄んだ黒目で見つめている。
唇を重ね合わせて、舌を絡ませ、息づかいが激しくなるまで、幸子にキスするボス。
幸子は目を閉じて何も考えまいとした。が、なぜだかアキオに恋しはじめているような気がする。
ーーー邸宅。
アキオは、ボスと幸子の寝室に入って、幸子のドレッサーの前に座ってメイクを始める。そして悔しそうな目で鏡の中の自分を睨みつけている。あの女め。オヤジにブチこまれて、腰を振ってるただのメス豚じゃないか。このままで済ませるわけにはいかない。
翼が部屋に戻ってドア近くに立ち、こちらをじっと見ている。
それを見たアキオが薄い唇に笑みを浮かべる。鏡の中の自分に向かって作り笑いを浮かべると「ショータイム!」という言葉と同時に、構わぬ素振りで淡々とメイクを塗りあげていく。
やがて翼がそばにくると、幸子のロザリオつけながら後ろ姿のままアキオが言う。
「戻って来たのかよ」
ふくみ笑いをし、黒いルージュを塗り、立ち上がって振り返ると、死神のようなメイクをした顔に、笑いのしわをつくったアキオの淫欲はかきたてられる。翼は自分の身体に火がつくのを感じる。ぎょっとするようなメイクアップの下には、どこか女のような魅力的な顔がある。甘く無邪気な感じで始まったキスだったが、アキオが翼をベッドに押し倒し、肩や腿で押さえつけ、翼の髪をつかんで、顔をひきよせ舌を這わして首筋の震えを味わうアキオ。翼の顔の両側に手をつき、黒い影のように覆いかぶさり、黒いラインで縁どった大きな目を見張って翼を見る。そして翼の顎をアキオは指で持ち上げて「お前は今誰に変身したい、誰になりたいんだ」翼に聞く。
光を放ちながら、ロザリオはゆらゆら動いている。
マゾヒストとしての快感に翼は目覚めていく。胸がこれまで経験したことがないほど激しく高鳴り、翼がかすれた声でささやいた名前は自分の母親の名前だった。
アキオは翼の声にはっきりと欲望を聞きとって、身体の中にたまらない興奮がつきあげてくるのを感じて、肌が燃えたつように熱くなった。
翼の瞳が、まるで懇願するように「僕をめちゃくちゃにしてください」死神の顔にそえられている。まるで、彼の力でそれをかなえてほしいとすがるように。
アキオの顔には恍惚の笑みが浮かび上がる。これから楽しいことが始まると言わんばかりにニンマリとして、
「ハッピー・ハロウィーン!」
荒々しく絡み合う肉体。今聞こえるのは、翼が息をきらしてあえぐ声だけ。翼は自分からもアキオの唇を求め始めた。肛門を舐めまわされつづけると、欲望に我をわすれた翼の身体がしだいにとろけていく。思わず声をあげてしまう。その成り行きをじっ見つめている遺影写真。
(ナレーション)アキオに抱かれた後、翼は遺影を見つめながら、うれしいのか悲しいのか、怒っているのか、それとも興奮しているのかを考えた。
全てだった。
アキオの愛撫に翼はまた身をゆだねる、アキオは翼のペニスにそわせて口を上下させながら舌を動かした。
天井を透かすように見て、小声で翼はしみじみと呟いた。
「僕、お母さんみたいな女性に生まれてくればよかった」
そして今度は翼がアキオのものを口の中にくわえこみ、幸子がすることを思い浮かべた。
(ナレーション)もっと幸子に近づきたい、幸子になりたいという願望はどうにも抑えられなかった。幸子になりきり、幸子の人格に支配されている翼はいっそう女らしく燃え、鼻から湿った吐息を漏らしながら、唇をすぼめ、アキオのペニスを半分くらいまで呑みこんで勃起していた。
翼はその快楽に味わい耽った。
ーー銀座の小料理屋。
幸子はカウンターに座り、まな板の上でスッポンがさばかれる様子を眺めている。彼女はひらめのお造りと焼き松茸を楽しみ、一方のボスは酒を嗜んでいる。
2人にスッポンの生き血が出される。
初めてスッポンを食べる幸子。
恐る恐る生き血を舐める彼女。
「とても美味しいよ」とボスが言い、見本を示すように一気に飲み干した。
――品川の邸宅。
アキオが瓶ビールとグラスを持って翼の部屋に入ってくる。
1万円札を翼に手渡す。
時間経過・飲み干したビール瓶。
アキオ「翼、お姉さんがしたみたいに上手に舐めれる?」根本に添えていた指をほどき、感度のいい翼の反応にベッドの中で微笑し、「それとも、お前のお母さんがされてるみたいに、いいじめて欲しいのかよ? 今頃はきっとオヤジにいいようにおもちゃにされて、浣腸や肛門セックスをされて泣いて喜んでるよ」わざとそんなことを言ってみて翼の反応をうかがう。
翼が射精しそうな興奮に襲われつつ上半身を起こして叫んで言った。「でたらめ言うな!嘘だそんなの!」翼の表情が強張る。悔しさに目が潤んで泣きそうな声の翼。
それを見るとアキオのサディズムが躍る。
アキオ「あれ、知らなかったの?翼のママは、ゲスでどうしようもないアバズレだってこと。それがお前の母親なんだよ。犬なんだよお前のお母さんは」そう言って底意地の悪い笑みをたたえ、うれしそうにしゃべると、
翼「やめないと、母さんに言いつけて追い出してやるからね」言いながらベッドから出る。
アキオもベッドから降りて翼に吠える。
「ワン!ワンワン!」
翼はアキオから顔をそむけた。
机には、ツーピースのスーツをみにつけて、肩のところでふんわりとカールさせた幸子と手をつないだ半ズボンの翼が写っている写真がのってる。ストッキングの幸子の脚は、すらりとしてふるいつきたいほど美しい。その写真を手にとり、見ながらアキオは、「冗談だよ」と、翼のほうを振りむきもせずに、翼に言った。
翼が哀願したその声は神妙なものだった。
「お母さんがされていることを僕にもしてくれる?」翼はアキオにぴったりと身を寄せた。
アキオが大声で笑う。「(写真を見ながら)母親も母親なら、息子も息子だな、この変態親子! 僕のお母さんはアバズレですって言ってみろ! お前と同じで謝礼をもらって、おマタひらいてんだよ」アキオが言葉でいたぶりながら、翼にまとわりつくように腰をスリつける「幸子は本当にいやらしい女だ、え、いくら貧乏から脱却して、豪華な暮らしがしたいためとは言え、オヤジのチンポを咥えこむんだからな」
翼の顔つきが変貌していく。みじめさがこみあげ、耐えきれずにわめき散らす。
「やめろっ!それ以上言ったらぶん殴ってやる!」
アキオ「(写真の幸子の股間に鼻をつけて、匂いを嗅ぐ)ここへ俺のデカイの、ぶちこんでやるよ」
アキオを突き飛ばし、翼が服を着て部屋から飛び出していく。階段を降り、玄関から夜のとばりの中へ吸い込まれるように出て行く翼の後ろ姿。悔しさをこらえ、月の光に白く照らされた通りを落ち着かない足どりで進んで行く。
翼にとってこれほど惨めなことはなかった。しかし、アキオの言葉の与えた効果が出てくる。目の前に悩ましい幸子の裸身がちらついて、翼は狂おしい思いに駆られた。奴隷のように辱しめられておもちゃにされる幸子の姿。目の前で自分の母親が男たちに乱暴されるおぞましい姿が頭に浮かんできてしまう。
(翼の妄想)
「やめてっ! イヤア」幸子は乱れた黒髪をさらに振り乱して暴れながら叫ぶ。男たちが幸子に襲いかかる。パンティを引きちぎられ、尻をひっぱたかれ、四つん這いにされ、顔を踏みつけられながら押さえつけられ、舌を口にこじ入れられ、何人もの男たちに後ろからさしこまれていく。男たちが幸子を持ち上げ、向きを変えさせ、幸子は自分の中に出入りするものを見せられる。
雑踏を歩きながら罪の意識があるから何度もそのイメージを振り払をうと、翼は目をつぶり、やめろといったが、頭からふりはらうことが出来なかった。
ズボンの中で勃起が激しくいきりたってくる。
ーー銀座。通りの歩道をゆっくりと腕を組んで歩くボスと幸子。
そっと寄り添うように歩いていた幸子だったが、街燈の下で立ち止まり、ボスにしがみついた。
幸子「私、アキオさんが怖いわ」
ボス「そのうち、アイツに出ていくように言うよ」幸子の髪に唇をおし当てた。「軽井沢に今家を探している。向こうで二人だけで、静かに暮らしたくはないか?」
口を閉ざし、ボスの顔を上目づかいに見る幸子。「軽井沢?」無感情な声で幸子は言った。
白い顔によく映える官能を刺激するような唇がキスをせがむようにふっくらしている。震えがくるほどの悩ましい澄んだ黒目で見つめている。
唇を重ね合わせて、舌を絡ませ、息づかいが激しくなるまで、幸子にキスするボス。
幸子は目を閉じて何も考えまいとした。が、なぜだかアキオに恋しはじめているような気がする。
ーーー邸宅。
アキオは、ボスと幸子の寝室に入って、幸子のドレッサーの前に座ってメイクを始める。そして悔しそうな目で鏡の中の自分を睨みつけている。あの女め。オヤジにブチこまれて、腰を振ってるただのメス豚じゃないか。このままで済ませるわけにはいかない。
翼が部屋に戻ってドア近くに立ち、こちらをじっと見ている。
それを見たアキオが薄い唇に笑みを浮かべる。鏡の中の自分に向かって作り笑いを浮かべると「ショータイム!」という言葉と同時に、構わぬ素振りで淡々とメイクを塗りあげていく。
やがて翼がそばにくると、幸子のロザリオつけながら後ろ姿のままアキオが言う。
「戻って来たのかよ」
ふくみ笑いをし、黒いルージュを塗り、立ち上がって振り返ると、死神のようなメイクをした顔に、笑いのしわをつくったアキオの淫欲はかきたてられる。翼は自分の身体に火がつくのを感じる。ぎょっとするようなメイクアップの下には、どこか女のような魅力的な顔がある。甘く無邪気な感じで始まったキスだったが、アキオが翼をベッドに押し倒し、肩や腿で押さえつけ、翼の髪をつかんで、顔をひきよせ舌を這わして首筋の震えを味わうアキオ。翼の顔の両側に手をつき、黒い影のように覆いかぶさり、黒いラインで縁どった大きな目を見張って翼を見る。そして翼の顎をアキオは指で持ち上げて「お前は今誰に変身したい、誰になりたいんだ」翼に聞く。
光を放ちながら、ロザリオはゆらゆら動いている。
マゾヒストとしての快感に翼は目覚めていく。胸がこれまで経験したことがないほど激しく高鳴り、翼がかすれた声でささやいた名前は自分の母親の名前だった。
アキオは翼の声にはっきりと欲望を聞きとって、身体の中にたまらない興奮がつきあげてくるのを感じて、肌が燃えたつように熱くなった。
翼の瞳が、まるで懇願するように「僕をめちゃくちゃにしてください」死神の顔にそえられている。まるで、彼の力でそれをかなえてほしいとすがるように。
アキオの顔には恍惚の笑みが浮かび上がる。これから楽しいことが始まると言わんばかりにニンマリとして、
「ハッピー・ハロウィーン!」
荒々しく絡み合う肉体。今聞こえるのは、翼が息をきらしてあえぐ声だけ。翼は自分からもアキオの唇を求め始めた。肛門を舐めまわされつづけると、欲望に我をわすれた翼の身体がしだいにとろけていく。思わず声をあげてしまう。その成り行きをじっ見つめている遺影写真。
(ナレーション)アキオに抱かれた後、翼は遺影を見つめながら、うれしいのか悲しいのか、怒っているのか、それとも興奮しているのかを考えた。
全てだった。
アキオの愛撫に翼はまた身をゆだねる、アキオは翼のペニスにそわせて口を上下させながら舌を動かした。
天井を透かすように見て、小声で翼はしみじみと呟いた。
「僕、お母さんみたいな女性に生まれてくればよかった」
そして今度は翼がアキオのものを口の中にくわえこみ、幸子がすることを思い浮かべた。
(ナレーション)もっと幸子に近づきたい、幸子になりたいという願望はどうにも抑えられなかった。幸子になりきり、幸子の人格に支配されている翼はいっそう女らしく燃え、鼻から湿った吐息を漏らしながら、唇をすぼめ、アキオのペニスを半分くらいまで呑みこんで勃起していた。
翼はその快楽に味わい耽った。