第4話

文字数 455文字

で、ビックマックセットをもう一つ食べていると、これからどうするの? と翔が聞いた。

どうするって?

君の親御さんは心配してないの?

言うとおりではある。しかし、僕はずっと一人ぼっちなんだよ。弱々しげに微笑んでそう言った。

二人の目が合う。

なんでそんな嘘をついたのか。実際には、オヤジは仕事を失い飲んだくれ。けど僕はそう言って、翔の同情を買おうとしたのかな……あとはどうにでもなれ、と思った。

翔はそれ以上何も言わなかったが、この時、翔と僕の間に共通点ができたんだろうな。

それは母親がいないこと。僕のお母さんはオヤジを捨てて出ていった。

オヤジにしょっちゅうブッたたかれていて、喧嘩は日常茶飯事。あらんかぎりの悪口でオヤジに罵倒されていた。

翔の母親は高校生の時に亡くなったらしい。翔を見ればわかるけど、とても綺麗な人だったそうだ。父親のことは聞いたことがない。

翔と言う名前は、死んだお母さんがつけたんだって。自由にはばたいて生きてくように。

でも、翔は、ショービズ (showbiz) のショーだって自分では言っていたけどね。
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登場人物紹介

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


ボス

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


アキオ

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


幸子

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


翼(幸子の息子)

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