第22話

文字数 619文字

ブルー★ベルベットを見た後、翔とランチを食べに外に出た。

空は気持ちよく晴れわたっていた。

僕は、ヤンキースの帽子を目深にかぶり、顔の上半分は帽子のつばで見えないように歩いた。

商店街はさけて、山手通りを地下鉄の落合駅の方へと歩いて、つけ麺大王に来た。

翔が呟いた。「つけ麺か……」

店に入ってからも、とにかく警戒した。

念のため帽子はそのまま被り、テーブルを挟んで翔と向かい合って、僕は入り口に背を向けて座った。

つけ麺を二つ頼んだ。

はいよ。

連中は、まだ僕の顔を覚えているだろうか?

ひょっとして覚えていないかもしれない。ならいいんだけどな……。

逮捕されそうになったら、どうしたらいいだろう。

出頭するべきだろうか……。

そもそも警察に行っただろうか、けんかみたいなことだろ。そうじゃないか……。

ただ、忘れちゃいけないのは、ああいう奴らってのは、執念深いってこと。

だから最後に、刃物で、後ろからブッすなんてシナリオだったらどうする?やるときは一気にくるだろうな。けど、そのあいだ、こっちにできることも何かあるはずだ。

こんなふうな考えに浸っているとき、翔は、会った時のように僕を見据え、ただじっと座っていた。

そして静かにおとなしく食べ、店を出て、マンションに向かって歩いていたら、後ろからスケボーに乗った奴らが僕たちを追い越して行った。

自分を失いそうなほど怖かった。

向こうの空からどんよりとした雲が近づいてきていた。

ここに住んでいる以上、また必ず会うだろう。




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登場人物紹介

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


ボス

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


アキオ

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


幸子

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


翼(幸子の息子)

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