第15話
文字数 743文字
翔がショーパブに出掛けた後は、何をしていいのかわからなくて、胸の中が、からっぽになったみたいな気分だった。ゲームセンターやパチンコ屋をふらふらしてから夕飯を食べる店を探して歩いた。
お気に入りは龍鳳の日替わり定食。
その帰り道、スケーボーが一軒家の玄関の前に置かれていた。それを盗んで、つぎの通りにきたところでスケーボーをおろし、その上にのって帰った。
次の日の夜も龍鳳に日替わり定食を食べに行った。線路沿いをスケボーにのって滑っていると、「おい! お前!」いきなりみみざわりな声をあびせられ、僕はとまった。
振り向いて見ると、「それ俺のスケーボーだろ!」
ちっ、まったく。僕のやることは、いつもウラメにでちまうのさ。
僕はすばやく「いや……、落ちてたんですけど」そう言った。しかし、そいつは、僕の肩をぐっと掴んで、僕の顔めがけて殴ってきた。
めんくらうような一撃で僕は倒れた。
うずくまっている僕を蹴飛ばして、気づくとスケボーを持ってけげんな顔をして仲間をひきつれて駅の方へ歩いていった。
僕はかーっと血が頭に上った。
そのへんに落ちていた空き瓶をひっつかんでコンクリートにうちうけて割っていた。僕は自分が抑えきれなくなるんだ。なにがなんでもそいつを刺さないと気がすまなかった。だから刺した。そしたら仲間たちは目に恐怖の色を浮かべ、悲鳴に近い声になって逃げて行った。
すぐ横の下を走る電車の音が聞こえてきた。
まさか、こんな……。
僕は全身の血が凍りついた。そして頭がぐらぐらして、怖くなって逃げた。
が、足をとめ、たいへなことをしてしまったと思い、今きた道をもどろうとした。もう一人の別の自分が、やめておけと言った。じゃあどうすればいいのか、問い返すと、落ちついた声が、どこかに隠れていい方法を考えろと言った。
お気に入りは龍鳳の日替わり定食。
その帰り道、スケーボーが一軒家の玄関の前に置かれていた。それを盗んで、つぎの通りにきたところでスケーボーをおろし、その上にのって帰った。
次の日の夜も龍鳳に日替わり定食を食べに行った。線路沿いをスケボーにのって滑っていると、「おい! お前!」いきなりみみざわりな声をあびせられ、僕はとまった。
振り向いて見ると、「それ俺のスケーボーだろ!」
ちっ、まったく。僕のやることは、いつもウラメにでちまうのさ。
僕はすばやく「いや……、落ちてたんですけど」そう言った。しかし、そいつは、僕の肩をぐっと掴んで、僕の顔めがけて殴ってきた。
めんくらうような一撃で僕は倒れた。
うずくまっている僕を蹴飛ばして、気づくとスケボーを持ってけげんな顔をして仲間をひきつれて駅の方へ歩いていった。
僕はかーっと血が頭に上った。
そのへんに落ちていた空き瓶をひっつかんでコンクリートにうちうけて割っていた。僕は自分が抑えきれなくなるんだ。なにがなんでもそいつを刺さないと気がすまなかった。だから刺した。そしたら仲間たちは目に恐怖の色を浮かべ、悲鳴に近い声になって逃げて行った。
すぐ横の下を走る電車の音が聞こえてきた。
まさか、こんな……。
僕は全身の血が凍りついた。そして頭がぐらぐらして、怖くなって逃げた。
が、足をとめ、たいへなことをしてしまったと思い、今きた道をもどろうとした。もう一人の別の自分が、やめておけと言った。じゃあどうすればいいのか、問い返すと、落ちついた声が、どこかに隠れていい方法を考えろと言った。