そして旅立ちの朝

文字数 674文字

・・・翌朝・・・

私は早朝から荷物をまとめて宿をチェックアウトします。
体が少しだるいですが、疲れているというほどではありません。
荷物を持って宿の1階のロビーにあるテーブルに腰掛けます。
ここでは朝食を注文することができますので、私はコーヒーとトーストを頼みました。
食事をしていると中田さんも降りてきました。

「おはようございます。いよいよですね」
「はい。いろいろお世話になりました」
「またバンコクに戻ってきたら、携帯に電話してください。僕は仕事なので空港で見送れません。ここでお別れしましょう・・・・あ!冨井さん。あの娘ですよ」
見るとエーがシーツの山を抱えて降りてきました。
私が荷物をまとめて座っているのを見ると、あわてて近づいてきます。

「トミー!トミー!・・・******!?」タイ語なのでさっぱり分かりません。
「あー・・・アイ・ゴー・トゥー・スリランカ・トゥデイ・・・分かる??」
中田さんがタイ語で通訳します。
「いつ帰ってくる・・・と聞いてますので2~3日と言っておきました。冨井さん、もうこの宿は使えませんねえ。いえ。言っちゃなんですが、僕はこういうのしょっちゅうですからうまくごまかしておきます。冨井さんは心配なく行って来て下さい」
「すみません、お願いします」

私は中田さんほど慣れた遊び人ではありませんので、少々胸が痛みます。
「トミー。ボップカンマイナ・・・(またね。。)」
エーは笑っておりますが、もしかしたら分かっているのかもしれません。

旅立ちの朝です。                     
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み