第12話 それはデートであってデートではなく
文字数 620文字
この頃は、夜寝る前に西原にメッセージを送るのが習慣になった。さすがに恋人がいる彼に毎晩は送れないし、送っても、デート中で返信がないこともあるのだが。
今日は、西原のほうからメッセージが来た。
昨日も、そんな日だったのだ。
言われてみれば、たしかに。
こういうの、水掛け論というのだろうか。
出会ったその日にマンションに行って、「愛し合った」とか言っていたが。
え……。初めて二人で出かけたことを忘れるわけがないだろう。何か言いたくない事情でもあるのだろうか。
まだ西原とのやり取りをを終わらせたくない俺は、あわてて話を変えた。