第2話 横恋慕して振られた相手の家族関係に驚く

文字数 547文字

時間があったら、少し話さないか?
 今頃は、彼氏とよろしくやっているかもしれない。そう思いながらメッセージを送ったのだが、すぐに返信が来た。
いいよ
あれ。今日も一人か?
何それ。自分から送信しておいて
すまん。彼氏といちゃついてる頃かと思ったから
じゃあメッセージ送って来るなよ
だから謝ってるだろ。機嫌悪いな
生野のせいだろ
もしかして、彼氏とうまくいってないのか?
そんなことない。毎週、日曜日は彼の部屋に泊まりに行ってるし
えっ、そうなのか? そのこと、お母さんは知ってるのか?
 西原の家は母子家庭で、母親は夜の仕事をしているらしいのだが。
知ってるよ
 あっさり返って来た返信に、俺は驚く。
お母さんは、二人の関係を知ってるのか?
もちろん。何度か会ったこともある
 えっ? えぇっ!? 西原の返信に、俺は度肝を抜かれた。
それはつまり、二人の関係を認めてるってこと?
そうだよ

 なんというさばけた母親なのだ。そして、それをなんでもないことのように言う西原。

 俺はまだ、自分がゲイであるということを、家族にも誰にも、とにかく西原と、その彼氏以外には話したことがないし、今のところ、話すつもりもないのだが。

何か話があったんじゃないの?
 あぁ、そうだった。驚き過ぎてすっかり忘れていた。
そうなんだ。実は相談したいことがあって
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