第1話 横恋慕して振られた相手にメッセージを送る
文字数 603文字
その夜俺は、いつかの明け方ファミレス前で別れて以来、初めて西原にメッセージを送った。
彼氏といちゃついている最中だったら申し訳ないと思ったが、そんなときに、スマホなんかチェックしないだろうと思い直す。
西原は、転校する前、俺が横恋慕して振られた相手だ。
すると、すぐに返信が来た。
変わり身が早過ぎて恥ずかしいが、きっと西原も安心するのではないかと思い、一気に打ち込んだ後、逡巡する前に送信ボタンをタップした。すぐに返信が来た。
なんだよ、偉そうに。そう思いながらも、俺はにやける。
「!」二つかよ。ちぇっ。俺のおかげもあるんだから、少しは感謝しろよな。
面白くもないが、俺が余計なおせっかいを焼いたせいで、二人の仲は、以前にも増して深まったのだ。
それから二、三往復やり取りした後、「おやすみ」を言い合って、俺はスマートフォンを置いた。