第15話 苺のパンケーキとフルーツ杏仁とSNS

文字数 569文字

 土曜日の夜、西原にメッセージを送った。
明日は彼氏の部屋に泊まりに行く日だな
うん
じゃあ、早く寝ないとだな
部屋に行くのは夕方だから
そうか
今日、門田くんと初デートだったんでしょ? 話、いくらでも聞くよ
デートじゃないけど
デートだよ
 デートじゃ……いや、それはもういいって。
本屋で、例のシリーズものを何冊か買って、その後カフェに行った

 西原とも、二度ほどカフェに行ったことがある。デートの申し込みをするときと、デートで美術館に行った後に。

 そのほかにも何度か一緒にものを食べたことがあるのだが、どれも切なくて、忘れられない思い出だ。

カフェで何頼んだの?
苺のパンケーキ
えーーーーーっ
なんだよ
僕と一緒に行ったときとずいぶん違う
 たしかに、西原と一緒のときは、やたらとヘビーなものばかり食べた気がする。俺が大盛りのカルボナーラを食べている前で、西原はかわいらしくフルーツ杏仁を食べていたっけ。
門田が頼んだから、同じものにしただけだよ
僕のときとは本気度が違うね
そんなことない。俺はお前のときだって本気だったよ
 ただ、最初から1ミリの可能性もなかっただけで。いや、今はそんなことはどうでもいいのだ。
それで、どんな話をしたの?
本のこととか
ほかには?
俺のイラストのこととか
見せたの?
SNSに上げてるんだよ
へえ。僕も見てみたい
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