か・け・お・ち大作戦
文字数 2,058文字
ルナが大きな口を開けて、パンを頬張る。もう淑女の嗜みなどどうでもよい、とルナは思っていた。
その後、カレンはルナと熱い抱擁を交わした後、カレンは動き始めた。アレンに思いを伝えるために……。本当は、結婚するまではダメだと分かっていても自然とこう思ってしまう。恋に溺れるとは、こういうことなんだとカレンは思う。
ホールに行くと、トランペットパートが自主練習をしていた。もちろんのこと、サラとギルバードがいる。アレンは、2人に見られながら、拙いソロを奏でていた。
今、入るのはダメだろう、とカレンは思ったが、すでに手遅れである。
カレンは、そそくさとホールを後にした。その後、緊張が解けたのか壁にもたれ掛かった。
と呟いたのであった。
降り積もった雪がキラキラと輝く昼下がりの事であった。
その事にアレンは絶望した。天才にはなれない。アマデウスにはなれない。それだったら、今のうちにカレンと結ばれた方が良いと考えるアレンであった。
ルナは、フェリックスにカレンと話し合った事通りに発言をしようとした。
フェリックスは、考え込む。もしもの保証なんかない。フェリックスも昨夜は、理性を抑え込むのに必死であった。2日連続は、さすがのフェリックスでも困惑する。
しかし、相手はルナ。フェリックスの初恋の人に等しい。その為かフェリックスは、断ることが出来ない。
フェリックスは、断らなかった。断ることが出来なかった、という方が正しいであろう。ただただ、フェリックスは昨夜はあまり眠れなかったみたいだ。色々とルナの妄想をしていたら朝になっていた、という感じだ。
ルナは、フェリックスが断らなかった事に喜びを感じ、
フェリックスは、サラとギルバードに怒りを感じたが、もう手遅れである。ルナの知識に入ってしまったものを忘れさせるなんて不可能に等しい。フェリックスは、色々な意味で諦める事にしたのだ。
フェリックスは、欲求に飢えそうな心を圧し殺し、耐えることしか出来なかったのだ。今日は、何もないことを祈らないといけない、とマリア様に祈っておこう。そして、貞操だけは守らなければならないことも……。