女神の天才フルート奏者
文字数 2,057文字
そんなカレンが、アレンに指導する事になったのには、ある理由があったのだ。何とカレンは、フルートと音楽の女神と言われるほどの天才なのであった。
カレンは、練習中のアレンに近づく。ペヒャー、と潰れたトランペットの音色がホール内に響き渡っている。それを見たカレンは、絶句したのであった。これは、酷い……、とカレンは内心思ってしまう。しかし、本人の前では絶対に言わない。言ってしまうと聖母マリア様が離れていってしまうかもしれないから……。
カレンは、アレンの背中に手を乗せて驚かせようとした。アレンは気がついていないみたいでカレンは、そっとアレンの肩に手を置いたのだ。
アレンは、涙目でカレンを見つめているのが分かる。そして、アレンはビックリした旨をカレンに伝える。
出てきた音は、蛙が潰れたときに出る声に近い音色でアレンは、泣きそうになりながら「神は我がやぐら」を吹き上げたのであった。
この二人に神の御加護を……アーメン。