第8話 仮面ライダーを探偵しましたのぢゃ!【8】

文字数 1,352文字

【8】

 はいはい、ではでは、前回の「ライダーマスクの秘密」に引き続きまして、今回は「ライダースーツの秘密」の巻でございますぞえ。

 原作の連載漫画ですがな、儂が小学5・6年生のガキンチョの頃に読んでいた当時も、

「仮面ライダーの絵が下手だな〜」
 とか、
「なんとなく、絵が雑なんだよな〜」

 と云うような違和感を覚えておったのですがな、爺になって今読み返してみますとですな、

「こりゃ、やっぱ、半分以上はアシスタントが書いてますがな〜」

 と思わざるを得ない感じでございますがな、例の「ライダー解剖図」は、石ノ森先生の直筆であることが確実なペンタッチでございますぞい。

 全身図の太めな輪郭線のタッチと、体内構造のメカニックの執拗なまでの綿密な書き込みは、こりゃまさに石ノ森先生の直筆に違いない!と確信できるものでございます。

 んで、その「ライダー解剖図」のライダースーツ(第2の皮膚)の説明図には、以下のキャプションが付いておりますがの、文章に変なところがあるのぢゃが、まずはそのまま引用させて頂きますわい。

【●この“第2の皮膚”は隼人の服と密着することにより、ライダーのエネルギー源である風の導入口(胸筋)をひらき、人工筋肉に連動する。
 なお、そのうえ、防熱・防寒・防弾の役目もはたす。】
 
 こりゃかなり、特撮好きの男心をくすぐる一文でございますがな、このキャプションを読んだ皆の衆も、すでにお気づきかと存じますが、「隼人の服と密着する」の一節が意味不な部分でございますな。

 これを文章通り解釈するならば、ライダースーツは、普段着の上から着用することになっちまうがの、それでは、仮面ライダーが着ぶくれてしまって、あんな機敏なアクションは到底不可能でしょうしな、せっかくライダースーツの胸筋から風のエネルギーを取り込んでも、その下の服が邪魔になって体内に取り込めないではないか!

 つーことで、「隼人の服と密着し」は、

「隼人の皮膚と密着し」か、
「隼人の肉体と密着し」

 と読み替えるのがよろしいかと存じますな。

 そんでもって、そのライダースーツ(第2の皮膚)に付いている、仮面ライダー変身体の最大の特徴である、あのシックス・パックのような胸筋は、「コンバター・ラング」と云うそうでしてな、以下のような説明がありますのぢゃ。

【●コンバター・ラング(風を取り入れ、それをエネルギーに転換する装置。一種のラジエーターでもある)】

 ですからの、ライダーベルトのタイフーンの風車がクルクル回ってエネルギーを取り入れるなんて、石ノ森先生はまったく想定しておりませんのぢゃよ。

 あんな、ちゃっちい風車なんて小さすぎて、とても風圧エネルギーなんて取り込めるはずもありませんわな。
 
 ちなみに、作中に、ライダーが高所からスカイダイバーのように飛び降りてくる、黒ベタのシーンがあるのぢゃが、そのライダーのコンバター・ラング(胸筋)の下部が白ヌキになっておったので、おそらく、あの見事なシックス・パックの胸筋の下部がエアインテークのようになっておると推測されますぞ。

 これで、あなたも今日から「正統派ライダー・ファン」と云えましょうが、次回は、一文字隼人ライダーのスーツに、なぜ白ラインが入っているのか?の正当な理由を説明いたしましょうかの。
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