第14話 現代の不思議を探偵しましたのぢゃ!【3】

文字数 1,251文字

 【3】

 今日の閑話はですな、「アンアイデンティファイド・フライング・オブジェクト「」について語りたく存じますぞ。
 皆の衆は、声出して読めますかの?
 ちなみに儂は、スラスラですぞい。
 フォッフォッフォッフォッ

 前回は、謎のミイラ“マリア”についてお話しましたがの、その際に、ラヴクラフトと云うアメリカのSF作家の話もいたしましたが、今回は若干その続きですのぢゃ。

 その作家のフルネームは、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトといささか長いのぢゃがな、そのラヴクラフトに「狂気の山脈にて」と云う作品があるのぢゃ。

 これは、1931年に発表された中編なのぢゃが、90年も前に書かれたこの作品のストーリー展開が、現代のSF映画の原型になっておるのぢゃわい。

 *

 アメリカのミスカトニック大学南極探検隊が、探検地域である山脈の裏側に隠された空洞の入口付近で、“冷凍状態の謎の物体”を発見する。

 その14体の物体のうち、数体をキャンプに運び込み調査した結果、その物体は生物であることが判明するのだが、その生物の生死は不明で、凍りついた生物の解凍が進むにつれて、犬ゾリ用の犬たちが怯えはじめ、狂ったように吠え出す。

 その後、キャンプ内で犬たちが惨殺され、犬ばかりか隊員までも不審な死を遂げていく。
 生き残った主人公と仲間は、行方不明になった隊員を探して、例の謎の空洞の内部に入り込む。
 その空洞は、巨大なドームになっており、氷漬けの大都市が広がっていた。
 それは、南極が氷に覆われる以前の太古、例の生物たちの文明が築いた都市だった。
 主人公らは、その氷の大都市のなかで、完全に復活したその生物たちに襲われ対峙することになる――。

 *

 どうです? 皆の衆、この粗筋……、これまんま「遊星からの物体X」や「エイリアン」と一緒のストーリー展開ではありませぬか!
 まあこれは、それらの映画の脚本家や監督がラヴクラフトの作品にインスパイアされてることを、自身の作品で表している訳ですな。

 ただ一つ違うのは、現代のSF映画の地球外生物は、必ずスペースシップである、宇宙船や円盤に乗って地球に飛来するのぢゃが、ラヴクラフトの地球外生物は、その生物自体が自力で宇宙間を飛来して地球にやって来るのぢゃわい。

 ちなみに、「狂気の山脈にて」に描かれた地球外生物は、分かりやすく言いますと……、

 体はホヤ (あの海にいるやつ)を縦にして、頭部にあたる部位はヒトデ状になっており、体表から数本の触手が出ており、アヒルのような脚が二本あって、背面には折り畳み式の羽根が付いている、と云うなんとも奇妙奇天烈な姿なのぢゃ。
 その姿、文字で読んでいると、「そんなもんかな~」と思えるが、挿絵を見てしまうと恐怖よりも滑稽に見えてしまって、そこがこの小説の難点ぢゃな。ふむ。

 あ、本題に入る前に、儂の執筆リミットの1000文字を超えてしまったわい。
 目がショボショボしてきて、儂のカラータイマーが点滅しておるわい。

 では、皆の衆、また次回ぢゃ!
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