第11話:山北社長との再会と仕事の手伝い

文字数 2,774文字

 港に帰ったのが夕方6時、山北社長は釣り宿に泊まっていて車で来ていたので池田夫婦の釣り道具を山北社長の車に置かせていただいた。そして港の近くのレストランに入り3人で夕食を食べに行った。席について幸恵さんに山北社長を紹介して保険の外交している時に何回も御一緒させていただき、保険の仕事も随分助けていただいた恩人ですと女房を池田松男が照れくさそうに山北社長に紹介した。

 その後、訳あって早期退職してしょぼくれていた時、近くに住んでいて、彼女の小さい子供がうちに来て仲良くなった。そのうちに結婚してもらったのですと恥ずかしそうに話すと若くてきれいな奥さんもらって、お前は幸せものだなと山北社長が笑いながら言った。その後、山北社長の話を聞くと会社の社長していて2000年以降の不景気で商売も左巻になっていた時、私のワンマン経営に、反対していた専務達がぐるになって私を追い出した。

 そして会社を辞めさせられたと打ち明け、その時は腹が立ってしょうが無かったが息子が有名大学を出て商才がある奴でインターネットの最初に時期にネット販売の走りの頃、現在、有名になった楽天に入って商売の経験を積んで子会社の社長になったと話した。息子が会員制のホテル、別荘やスポーツ施設、観劇、歌舞伎、宝塚、歌謡ショー、演劇などを利用できる会員制クラブを作った。

 そこの雑務の責任者で若手社員に、いろんな指示をしたり会員の接待をしたりしていると言った。しかし接待がどうしても上手くできなくて困っていたんだと言い、そこに君の様な、営業のプロが失業中とくれば渡りに船だと言い、是非、手伝ってくれと言い、毎日出勤でなくて、必要な時だけで言い、肩書きも付ける。上手な接待で会員の輪を広げたりして欲しいと笑いながら言った。

 これに対し池田達夫は具体的に週に何回出社するんですかというと出社しなくて言い山北社長が必要な時に電話を入れて呼び出すと言い、釣りやゴルフ、飲食の接待がメインで、たまに富裕層に宣伝、営業活動してもらう程度だと言い、月に5-10回程度かなと言い泊まりの接待は滅多なく、年に数回程度だと言い給料は全て歩合制で払うと言った。

 最低賃金はと言うので月に10万円は最低保障すると言った。同席した幸恵さんに聞くと松男さん次第で構わないと言い、折角、山北社長が営業センスをかってくれたのだから、やってみたらいかがですかと言ってくれたので松男が、それなら是非、仕事をさせて下さいと山北社長に言うと了解と言い、松男君の名刺を作るから、履歴書を指定のメール先へ送ってくれと言われ、了解した。山北社長は、喜んでくれ、頼もしい助っ人が来てくれて嬉しいよと言ってくれた。

 料理が運ばれてきて、ステーキ定食を食べて食事して池田夫婦の釣り道具を取ってきて山北社長とお別れして池田夫婦が温泉宿に戻ってゆっくり風呂に入って早めに床について、翌朝、車で、飯能の家まで帰った。帰ってすぐに山北社長のメールアドレスに履歴書を書いて送った。数日後、小包が届いて池田松男の名刺が届いた。そこには山北リゾートクラブ、営業部長と書いてあった。一緒に会社のパンフレットや全国のホテル、旅館、長期宿泊用コンドミニアム、資料可能な全国のゴルフクラブ、保養所、フィットネスクラブ、クルーズの割引などが詳しく書いてあった。また、会員の種類と入会金、年会費が書いてあり個人会員と企業団体会員もあると書いてあった。

 2010年10月31日電話がかかって来て11月10日、接待ゴルフに参加してくれないかと言われ場所は伊豆の川奈ゴルフクラブと言われ1泊2日だと言われ了解した。翌日から、にわかに運動を始めてラジオ体操や屈伸運動をした。そして早朝の打ちっ放しゴルフをしに行きゴルフ道具も再度確認した。

しかし錆が出ており川奈でゴルフクラブをレンタルできる事を確認して電車で出かけた。数日でゴルフの勘が戻ってきてクラブのフェースに当たるようになり、まっすぐ飛ぶ様になり、年を取って余計な力が入らなくなったのかも知れない。待ち合わせを聞くと11月9日午後5時に川奈ホテルというので川奈ゴルフ場でゴルフクラブを借りるので電車でと考えていると言うと了解したと言った。

 11月9日、この日は雨ではなく晴れでゴルフ日和であり、ひと安心した。 チェックインして名物の露天風呂に入り夕食をとって部屋で酒を飲んで接待相手を聞くと最近流行のインターネット漫画を始めて儲かっている会社の40歳の社長と30代の専務で従業員は50人で社長が会員になっているが専務は入っていなくて儲かってるんだから10人まで使える企業会員の一番高いグレードに入会の勧誘をしたいと言った。

 そこで社長と専務の趣味は車は性格はと矢継ぎ早に山北社長に聞くと、そんな事知らないと言った。そこで営業は相手の情報を必ず、前もって調べておくのが常識だといってしまった。そこで山北社長が会社に電話して残っている社員に情報を池田松男のスマホに送るように指示し数分後、情報が入ってきた。

 その情報によると露木泰之社長43歳、KO大商学部、米国留学3年、MBA取得、オシャレで車はBMWで富裕層の奥さんとは2年前性格の不一致で離婚、子供の養育費でもめたらしくカッコは付けてるが金は無い。気が短く、ヨイショ、おだてに弱い。米国人女性みたいなグラマー好き。酒は弱く赤くなりエチケットにうるさい。

 里村猛専務34歳、立教大学商学部卒で米国留学3年でMBA取得、1年前に以前、米国留学中に知り合った米国人の女性と結婚した。英語が得意で学のない品のない奴が嫌い。車がアウディでスピード狂。バイクはBMWで良い所の、お坊ちゃまで育ち、ちょっと浮き世離れしている。お世辞や下心ある人は嫌い。率直に話す人を好むインテリタイプ、でもそれ程、賢くないこれが彼の負い目、学校の事は6大学だが下の方であるから言われたくない。

 特に無駄口の多い、おしゃべりは大嫌いであり短期ではないが切れやすいタイプ。これを見て池田松男は頭を抱えた。山北社長彼らは本当に手強いですよと言い決して上目線で物を言わない明日の接待は山北社長はナイスショットとか挨拶、お礼、以外はしゃべらないで下さいと言った。後は全て私がやりますからと池田松男が言うと、困った様に実は今まで数回、接待したのだが駄目だったんだよと本音を漏らした。

 これで接待3回目だと言い是非、良い答えが欲しいと話してくれた。くれぐれも営業的なしゃべりは絶対にしないで下さいと山北社長に念を押した。上目線の言い方が大嫌いだと書いてあり失礼ながら山北社長は常に上目線の物の言い方になっていますと言うとそうかなー、とがっかりしたように言った。
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