第2話:接待成功でトップセールスへ

文字数 2,689文字

 そして池田君、次回、来月の第一日曜日の釣りを楽しみにしてるよ君が本当の福の神かどうか試してやると笑った。やがて、その日がやってきて、意気込んで釣り船の乗り場に20分前に到着して餌と餌箱を十分に用意して待っていると続々と釣り同好会の人達が現れ吉本部長がやってきた。

 少しして全員が集まった頃、挨拶して今日は今井社長の福の神というN保険の池田君が手伝いに来てくれたので、大漁間違いなしと思うが怪我しないように十分注意して釣りを楽しんでくれと言い総勢14名で船に乗り込んだ。

 今日の船長も以前、真鯛を釣った時と同じ船長で宜しくお願いしますと挨拶。すると、また、以前、鯛が釣れた漁場へ行こうと叫んだ。20-30分で到着し、既に餌箱を用意した池田が、皆さん餌は必要な人は言って下さい、お持ちしますと伝えた。

 すると数人が欲しいとと言うので渡して回った。各人が釣り糸を投入し10分後、かかったという人が現れた。すると大きめの真アジが。次々に釣れ出した。20分経って、いろんな種類の魚が捕れだして、今日は、最先、良いなーと吉本部長が言った。その頃、池田は今井社長について餌をせっせとつけいた。

 そして「初のあたりがきて、きたー、引きが強く大きいぞと叫び」ながら、笑顔を浮かべた。15分ほど魚と格闘して上がって来たのが型の良い30メートルのアコウダイ。するとアコウダイでも鯛には違いない。やっぱりお前さんは福の神だなと握手してくれた。

 続いて吉本部長には、なぜか真アジばかり、次々にかかった。苦笑いしながら、うちだけでは食べきれないから池田君に持って行ってもらおうと笑った。次に、「俺も社長みたいに鯛が釣れたらなー」と、ため息をついた。

 その後、山根課長が穴子を釣り上げ、今井社長が山根君は個性的だから面白い魚を釣るなと笑顔で話した。しかし山根課長は、僕は穴子大好きだから、うれしいと笑った。次に、木下係長がイシモチを釣り上げ、これは塩焼きが旨いだよなと言い、今晩の晩酌が楽しみだと喜んだ。

 若い人達は、真アジとアオリイカ、アマダイ、アイゴなどを次々に釣り上げた。昼食後、日が落ち始め、残り30分となった時、今井社長が、「突然、大きい魚だと叫んだ、あまりにひきが強いので、ちょっと泳がせて、20分位、格闘。その後、釣り上げ、魚が見えた時、あれクロダイじゃないかと吉本部長が言った・

 それを見て船長が珍しいねと言った。そうして今日は、鰺が多いが、釣果は良かった。そのため、皆さん笑顔だった。吉本部長が今井社長に、池田君は本当に福の神かも知れませんねと言って握手してくれた。帰り際、吉本部長が来週の金曜日、釣り同好会の飲み会があるんだかこないかと誘われた。

 池田が喜んでと参加しますと言った。帰り際に、今井社長が今日もありがとうと礼を言い山根課長が新人担当の人事課長だから保険を売るなら彼に入り込めと耳元でささやいた。貴重な情報ありがとうございますと言い、笑った、するとギブアンドテイクだと肩をたたいた。

 その後6年目に契約件数と契約金額もトップになり全国表彰され多額の報奨金を手に入れた。この結果に気をよくして、入社7年目に、もっと大きな市場を求めて、富裕層の多い、田園調布にの近くにある世田谷営業所に転勤した。そこで、まず、世田谷区の詳細な地図を手に入れた。

 次に住む方の情報を徹底的に調べ上げる事にした。毎日、一軒一軒、挨拶回りをして好反応の良さそうなお宅を捜した。その後、言葉巧みに、好きなものを聞き出し、気の利いた手土産を持って行って、最初はとにかく気に入られるようにした。

 訪問すると奥さんが多く、あなたは、どんな仕事をしているの聞かれる迄、じっと正体を言わない。相手が聞いてくれた時に生命保険のセールスで訪問してると言う。少しづつ保険の話をして、相手が富裕層であれば、それ相応の備えが必要と言って保険を勧誘する。

 もちろん、他社の大口顧客情報を調べ上げて、ターゲットを絞って、訪問して行く。そのため話がまとまれば大口の保険の契約となる。その結果、営業成績がドンドン上がっていくことになる。更に相手に入り込めた思った時、相手の趣味を聞き出すことにした。

 その趣味のテニス、お茶、ドライブ、旅行、海外旅行にも参加するように働きかける。そして相手の懐に入り込んでいく。その結果、その方の友人、知人、商売相手をまとめて囲い込み、仲良くなっていく。その後、一網打尽に保険契約を取るという名付けてトロール網作戦で次々と顧客を増やた。

 やがて保険契約を着実に実績を積み上げていった。これにより3年で、世田谷営業所で新規顧客獲得トップに上り詰めた。次に、多くの芸能人や富裕層の多い目黒、渋谷エリヤと担当する渋谷営業所に転勤となった。

 営業に行く時、アウディに乗って颯爽と営業活動に出かけるようになり上客とのパイプをつくるために、テニス、ゴルフ、クルーズ、別荘へのドライブ旅行と徹底的に接待した。その結果、次々に大口顧客を取っていった。幸運にも、その方が会社の経営者の場合、会社全体を取り込んで多くの保険契約を取った。

 そのため他社の保険会社のセールスからは「トロール池田というニックネームで呼ばれ恐れられた」。8年目になりN保険でもその名が知られる様になり、次に大企業の本社が多い東京・日比谷営業所に転勤となった。

 そうして、いつも通り、大企業の本社の掴むべき人を捜し当てる仕事に出かけた。毎日、1件でも多く訪問してまわった。1年が過ぎて、おおよそのターゲットが掴めた所で、その人に入り込む。その具体的な作戦を練って2年目から行動していった。

 もちろん、交際費は多くかかるのは当然であり毎日の様に接待に出かけた。ゴルフ、ドライブ旅行、たまに、相手さんの別荘へ運転手のようにしてつき合った。また長期間のクルーズ旅行につき合ったりした。

 そしてトロール池田というニックネーム通り、大企業を根こそぎ契約に結びつけると、とんでもない営業成績を一人で取る事になり、歩合収入が驚異的な金額になった。それに味を占めて。次々に大企業を落としは多くの契約を一気に取るという離れ業をやってのけて表彰状が7枚になった。

 世田谷営業所7年、渋谷営業所7年、日比谷営業所9年の合計23年経った1996年、池田松男も43歳になり年収が2千万円近くなったが交際費で足らない分を自腹を切るので、実質的には、年収1200から1300万円程度だった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み