第3話:営業手腕で問題営業所の建て直し

文字数 2,528文字

 その後、業績が低迷している世田谷営業所に副所長で転勤し業績改善して欲しいと言われが。その後古巣の世田谷営業所へ行き富裕層の多い田園調布周辺を訪問し始めた。以前お世話になった元芸能人やスポーツ選手のお宅を訪問した。

 お宅のセールスの人が感じが悪いから保険を変えようと思っていたと本音を言われる様になった。よくよく聞いてみると積極的に商売はするが接待や届け物はなく仕事の話ばか
りして飽きが来たと言うのだ。

 この話を営業所に帰って清水良助・所長に話すと確かに無駄な交際費は使わずに保険のPRポイントをしっかり勉強して説明した。そしてわが社の保険の良さを分かってもらって保険に入ってもらう方針だと答えた。

 清水所長に言われた通りに営業マンが動いていた。その様子を東京営業部の鮫島太一部長に伝え、報告書を提出すると数日後、鮫島部長が世田谷営業所に来た。そして清水良助所長に再度、営業方法や方針を確認して報告書通りなので清水所長に転勤命令が出た。

 清水所長が池田松雄をにらみつける様に見ながら、その話を聞いていた。来月から東北へ転勤させられた。その後、鮫島部長が翌月から池田が新所長として、やっていく様にと言われ、以前の様に業績の良い営業所に変えて欲しいと言われ了解した。

 数日後、仲の良かった田園調布の元プロ野球の鍋島家を訪問して好物のお土産を持参すると、あー、良かったと言った。池田が、お陰様で新所長に就任いたしましたので今後も末永いお付き合いを宜しくと挨拶した。

 すると、最近、息子と娘が結婚し近くのマンションに引っ越したのであなたの会社の保険に入る様に奨めておきますと奥様が言ってくれた。また、その近くの元・芸能人の泉家を好物のお土産を持参して訪問し、新所長に就任したお礼を述べると、また、知り合いにも、生命保険に入る時には、すすめてあげますよと言ってくれた。

 翌週、元・プロ野球の選手の家を尋ねると、ご本人が出てきて、君、所長に就任したんだってと言い、就任祝いに今年の1996年10月にオーストラリアに1週間、ゴルフに行こうと誘われ喜んで、お供しますと言うと日程が決まったら、早めに連絡すると言った。

 1週間後の8月22日、世田谷営業所に電話が入り、10月2日から9日の7日間、シドニーへ行くことになり、武井副所長に留守をお願いして、早々に休暇願を出した。鮫島部長から電話が入り理由を聞かれ答えると、それなら仕方ないなと言い許可してくれた。

 オーストラリアに出かける前に新規に大口の客を新規開拓する様に真田課長と今井課長に交際費の有効利用で、他社から保険商品を取り返す様に厳しく伝えた。9月になり鍋島家の奥さんから息子さんと娘さんの所で2件の生命保険の新規加入してくれた。
 
 更に泉家の奥さんのテニスサークルの3人の奥さんを紹介してくれた。彼女たちの好きなものを聞いて、それを持参して来年の保険切り替え時期に他社からの生命保険の切り替えをお願いし、了解してもらった。

 その他、真田課長の班で3件の新規と今井課長の班で4件の新規顧客を獲得できて良いスタートが切れた。10月になり武井副所長に留守の7日間、お願いしますと言って、成田からオーストラリアへ飛んだ。

 オーストラリアに着くと、南半球で春、ジャガランダが花盛りで紫色の綺麗な花が満開だった。到着した日の昼食後、鍋島さんにシドニーの大手銀行に行こうと言われた。ついていくとオーストラリア銀行の担当者サムさんを鍋島さんを紹介してくれた。

 名刺をもいただき彼の電話番号、メールアドレスが書いてあり池田松男も自分のメールアドレスをサムさんに教え1万豪ドル以上で定期預金をしていて5年定期預金で9%の利回りと言い10年に2倍になると説明して1万ドル以上で無記名で預金して5年たつと日本に戻せると言われた。

 英語と日本語の解説書をもらって、やり取りはメールか電話で日本語でもできると言われた。何人もの日本人が既にやっていると言い、但し、1口座、1年間で100万円までしか戻せないのが欠点ですけれどと教えてくれた。

 そうしてホテルに戻り、夕食をとって寝て、翌朝7時に起きて、2パーティーでゴルフへ出かけた。ゴルフ場まで車で20分、季節も春、気持ちよく、ゴルフができたが、さすがに元プロ野球選手、飛距離が全然ちがう。

 ドライバーの飛距離が300ヤードでプロゴルファーみたいで前半からアンダーパー。池田は、ついていくのがやっと。素晴らしい景色を見れず接待に専念。昼食を食べると鍋島さんに練習場へ誘われ、見てもらうと、スイングのためがないので遠くに飛ばないと教えてくれた。

具体的には、「イチ、ニ、サンじゃなくて、イチ、ニーのサンという感じだ」と言われた。言われたように打ってみるとボールにヘッドが強く当たった気がしたと思うと、飛距離が信じられないくらい伸びた。

 食後、スタートすると午前中の2-3割、飛距離が伸びてきてスコアも良くなり上手になった気がした。その後、16番ホールでパー4で、池田が、第2打をピンそば3メートルに2オンして入ればバーディー、みんなが終わって緊張したが無心でパットをすると何と生まれて初めてのバーディーとなった。

 これには昼休みに教えてくれた鍋島さんが大喜びしてくれ固い握手を交わした。そうして、ゴルフを終えて、風呂に入って、表彰式で、鍋島さんが池田に特別賞をくれて生涯初の
バーディを祝福してくれた。

 翌日はシドニーの市街地の見学でオペラハウスや水族館、ハーバーブリッジを見学。翌朝、飛行機でケアンズへ飛んで1日目はキュランダ高原列車とスカイレールの旅。翌日は、船に乗ってグレートバリアリーフへ行き、シュノーケリングを楽しんだ。

 その翌日、ゴルフして、いつも100を切れない池田が何と88という自身の最少スコアで回り、みんなも驚いた。その翌日、日本に戻った。日本に着いてから一緒に旅行した、野田さん池上夫婦、池辺夫婦の所に挨拶に行き、来年の4月の切り替え時期に生命保険を切り替えてくれると言う約束をもらった。
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