第8話:小説サークル2

文字数 3,008文字

 2009年10月16日に池田松男も58歳と60歳近いし奥さんの幸恵さんも40歳になったのので、池田松男は、肺がん、胃ガン、大腸ガン、前立腺ガンの検診、幸恵さんは肺がん、胃ガン、子宮ガン、乳ガン、大腸ガンの検診を申し込んた。それぞれの施設が異なり、年内に全部予約できて、受けることにした。

 一番最初に池田松男の前立腺ガン検診を近くの開業医で10月17日に行い、結果は10日後に自宅に郵送することになった。10月18日に肺ガン、胃ガン、大腸ガン検診を池田夫婦揃って近くの病院で受けた。2009年11月4日、池田夫婦と田島、横山、石井、犬山と批評専門の木島、山辺、君島、吉川、立川の11人が参加。

 今回から小説を読んでの感想、批評は15分までとして20分で強制終了。そして6人分の小説について論じたいと思いますと池田松男が話した。そして各人のテーブルの前にネームプレートを置いて氏名がわかるようにした。今回、最初は田島華子さんの「淡雪の思い出」という若き日の悲恋物語を題材とした小説からはじめた。

石井好恵さんから文章が上手で細かい心の機微が読み取れる点が良いと言い、次に気になった点は起承転結に抑揚が少なくサラッと読めるけれど印象に残りにくいと話すと池田松男がプロットとか起承転結などに重きを置いて書いていますかと聞いた。

 すると、ほとんど気にせず、今まで読んだ小説や、人生経験からのことを頭に浮かべて、書き綴ったと答えた。そうですか、インターネットや本でプロット、起承転結について勉強するとわかると思いますで、これから小説を書いていく上で参考にされたら良いと思いますと発言した。

 君島春子さんが手を上げて田島さんの文章力は素晴らしいから小説のテクニックをもっと覚えれば新人賞に参加できるだけの作品を書ける気がしますと発言。田島さんは照れながら喜んでいた。次に横山輝英彦さんの「誰が窓を閉めたのか?」という推理小説について討論をはじめた。

 田島さんがストーリー展開が良くて最初に小説に引き込まれる。次に、あっと驚き第2の謎が出て来て終わり頃に、どんでん返しがあって最終的にハッピーエンド、これが良い点。気になる点は展開が少々、強引で、え、ほんと? と言う場面が多い点と指摘した。

 すると横山さんが確かに時代背景や海外情報についての情報で確認でない事が多いかもしれないと言った。次に、はじめて参加したのですが質問して良いですかと司会者の池田松男に聞くので、もちろん結構ですと了解した。吉川秀美さんが推理小説って当たり外れ、好き嫌いが激しいと言います。

 私は特に殺人、虐殺のシーンがが出てくる小説が大嫌いですが、それって、どう考えたら良いんですか好きなジャンルの小説を読むだけで良いのか、いつも悩むのですが教えていただきたいと話した。どなたか御意見は、ないですかと聞くと何もないので池田松男が小説の読み方は個人の自由。

 いろんな方の考え方があると思いますが私は全てのジャンルの小説を読むようにしています。その理由の1つは、新しい発見を見つけることがあるからです。人間の思考って、千差万別で自分で気づかない事がいっぱいあり、それを気づかせるために多くのジャンルの多くの小説を読んでいます。

 ですから、もし、あなたが、そう言う新しい事を知りたいなら、読んだ方が良い、どうしても嫌いなら読まなければ良いと思いますよと答えた。付け加えて私は個人的には吉川秀美さんのストーリーの展開の旨さは、参考になり、良い小説だと思いますと言った。

 次に石井好恵さんが山岳小説「駒ヶ岳をの稜線の彼方に」という小説について聞くと谷川春子さんが手を上げた。私はこう言う青春ものの小説、大好きですと言いった。サラッと書いているのでリズム感のある文章で、どんどん読み進んでいける所が良い点。難点と言えば、もっとストーリーの中に抑揚が欲しい点。

 今まで記憶に残ってる小説って読み始めて、ぐっと心を掴まれて、どんどん引き込まれるストーリーの山と谷でホロッとくる。そして最後に清々しいと言うか印象に残るという最後でグッとしまった小説が多いと話した。この意見には確かに、それは言えるという同調する人が多かった。

 次に犬山晴彦さんの「もし、私が犬だったら」という自分があるとき突然、犬になってしまったと言う設定で犬目線での人間の行動を分析したり犬社会での掟、上下関係、裕福な家の犬、貧しい家の犬などとの友情や別れ断絶を書いた非常に個性的な小説であった。

 君島春子さんが、この小説のタイトルを見て、今流行のライトノベルの転生ものの小説家と思いきや、全く違いコミカルで非常に面白い視点で世の中を見た秀逸な小説だとべた褒めした。その他の人からの評判もすこぶる良くて犬山晴彦さんは、ありがたいお言葉ですが照れるかと笑った。

 池田松男がちょっと教えて欲しいのですが、犬山さんが小説のネタを探す時に一番大切に考えてることは何ですかと質問した。するとユーモアと答え難しい小説テーマは多くの人が書いてるし、それと競争しても多分無理だと思った。そこで読者が驚く様な事っを考えた。

 この小説も朝散歩している時に犬達が吠え合ったり、じゃれ合ったり、ご主人様の顔を上目遣いしたり不機嫌そうだったり、いろんな表情をしているのを見て、彼らは、どんな風に現在の境遇をに感じてるのかなと想像していたら、この小説が頭に浮かんだ。

 その小説を考えると、いろんなシーンが出て来た。最初にシーンとその犬の心情ををエクセルに、どんどん書き込んで、その小文の右に犬の気持ちを想像して書き込む。そのデーターを100以上、書き入れて、それらを、まぜこぜにして、ストーリーを書き上げていったと説明した。

 それに対して素晴らしい才能だと思いますよ多くの小説を書いて見せて欲しいものですというと犬山さんが頑張って多くの小説を書きますと言った。次に角川芳裕さんの「パブ・まどろみ」下町のパブで繰り広げられる男と女の愛憎劇、ある日突然来なくなった。

 いい女の消息、若い男女の出会いと別れ、相場人の栄枯盛衰など「パブ・まどろみ」と言う店で繰り広げられる、いくつかのストーリーをまとめてかきあげた物語。これに対して木島俊郎は、なんか高倉健の「居酒屋兆治」を思い出すタイトルですねと言った。

 飲み屋に集う人達の人間物語を1つずつ紡いで作り上げた小説で、なかなか面白いタッチの小説に仕上がっていると言った。もう一つと思ったのは、いくつものストーリーを重ねる難しさとして、時間軸の移動が激しく、ついて行けない所があって、ちょっと理解するのに時間がかかる点からと言った。

 それに対して田島華子が、私は、1つずつのストーリーを始まった時代順に別々に最後まで書き終えたの成功だと思うと言った。時間軸にあわせるてると、ストーリー、そのものが不明瞭になって読む気がしなくなると言った。

その点1つずつ、わかりやすく最初の出来事から大きな事件になるかけて、そのダメージを癒やすまでの物語が完成されており、良い小説に仕上がっていて複数のストーリーを束ねる方法の一つの成功例だと思うと、誉めていた。その他の人からも個性的で、斬新で面白い小説だと高い評価を受けた。
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