文字数 498文字

 ここら辺りが限界のようです…

 ── あと、思い出すことを書けば、中学のころ見たプロレス雑誌に、フリッツ・フォン・エリックが来日、息子のケビンとともに広島原爆記念資料館へ行く、という記事がありました。
 悲惨な写真に、目をそむけた息子に、「ちゃんと見ろ、ケビン。これが戦争なんだ」とフリッツが言ったという写真も載っていました。

 大学の頃は、埼玉の「原爆の図」美術館で、ひょんなことから穴を掘るバイトみたいなことをしつつ、展示する絵の入れ替え作業もたまに手伝ったりして、その絵はたしかに悲惨なものでした。
 原爆が落とされて、火傷を負ったり炎の熱気にあおられた人々が、水を求めて幽霊のようにさまよう絵が印象に残っています。また、南京大虐殺の図では、日本兵が捕虜にした人間の首を切ろうとする場面が描かれていました。

 けっして、気持ちのいい絵なんかではありません。見て、明るい、楽しい絵ではありません。でも、悲惨で、目をそむけたくなるような絵や写真を、目をそむけずに見ること、勇気… それを、一人一人の人がもつことで、戦争が行われない世界の実現に、小さくても一歩一歩、近づくのではないか、とも思いました。
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