序② 近代音楽にしたカール・オルフ
文字数 1,558文字
うん。この人のお陰で、数ある写本の一つ「カルミナ・ブラーナ」は、突出して有名になったんだ。
音楽はネウマ譜による古い旋律そのままではなくて、ほとんど現代音楽に作り替えてるんだけど、これがインパクト絶大だったから
ヴュルツブルクの古書店のカタログを偶然入手したオルフ。
一冊の本の題名に「魔術的な力」で惹きつけられます。
運命に導かれるようにオルフはその本を取り寄せ、読みふけり、そして衝撃を受けるのです。
ある程度はね。教養人の言語であるラテン語を用いているし、写本の製作にはかなりの費用がかかったことなどを考え合わせると、在俗の高位聖職者が編さんに関わったと見るのが妥当じゃないかな? 個人名までは分からないけど
聖職者って言っても、中世においてはお金持ちの権力者だった人もいるし、そういう人はたぶん露骨な性描写にも大らかだったんじゃないかな。
そして詩の語法、写本の作成法などから考えると、時代と地域も絞られるんだ
約300の詩歌の中から、オルフは24編を選び、曲を付けました。
これが世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」です。
本人が予言した通りでした。1937年にフランクフルトで上演されると、この曲はたちまち人気を博し、オルフは一躍スターになったのです。
オルフの「カルミナ・ブラーナ」は「初春に」「酒場で」「愛の宮廷」の3部から成り、それを序とエピローグが挟んでいます。
この曲、合唱団もオーケストラも大編成で、爆発するような迫力があります。ソプラノ、テノール、バリトンの独唱も、それぞれ情緒たっぷりで素敵です。
演奏会形式で発表されることがほとんどですが、歌劇場で上演される時はバレエを伴っていることもありますよ