24曲 ようこそ、この上なく美しい方よ
文字数 1,315文字
いきなりですが、ここで部が切り替わります。
「ブランツィフロールよ、ヘレナよ」というタイトルです。
ちなみにフランス語の「ブランチフルール」がラテン語化したものです。
そう!
フローリスはスペイン人男性の名前だよ。当時のスペインはイスラムの支配下にあったので、キリスト教徒のブランツィフロールとは異教徒同士。ブランツィフロールが敵に奪われるなど、二人の恋愛には苦難が伴いますが、最終的にはフローリスが助け出してハッピーエンドに♡
中世にはこんな物語が人気だったんだね
ヘレナは古代ギリシャ神話に出てくる、スパルタの王妃。
パリスがヴィーナスの命令でヘレナを奪い取り、その結果としてトロイア戦争が起こってしまうという有名なお話があります(『イーリアス』他)。やっぱり絶世の美女です
参考:1956年の映画「トロイのヘレン」ポスター
グロッケンシュピール(何と3台!)のきらめくような甲高い音とともに、大合唱がフォルテッシモで始まります。
歌詞は、ただただ美しい人をたたえる内容です。
音楽が最高潮になったところで、不安定なドミナント(五度の属音)で曲は急に終わってしまいます。このため聴いている方は、音楽が途中で終わったような感覚に囚われます。
ですがこの手法が効果的。緊張感を保ったまま、一気に次の曲へとなだれ込んでいくのです。
「ようこそ、この上なく美しい方よ」は55.20~。
単独動画がなく、お手数おかけしますが、ぜひ聴いてみてください。