3曲 春の愉しい面ざしが
文字数 1,353文字
導入部は前回まで。
ここからは第一部「初春に」に入っていきます。
こちらの画像は「フォリオ64v」の画面いっぱいに描かれた絵。
(フォリオとは羊皮紙の一枚のことで、表面はr、裏面はvで示されます)
植物の繁茂する森を描いたものです。
「カルミナ・ブラーナ」には、ギリシャ・ローマの神々についての知識が前提となっている部分が多々あります。以下はここの歌詞に登場する神々について。
フローラ……かつてギリシャではクローリスという名のニンフ(下級女神・精霊)だったが、西風神ゼピュロスによってイタリアに連れて来られ(※多くの絵画の画題になっています)、以後花の神となる
フィーブス……太陽神アポロの別名
ゼピュロス……西風神。春の訪れを告げる豊穣の風
参考:
ロンドン交響楽団『カルミナ・ブラーナ』解説(訳:石井歓)
永野藤夫『全訳カルミナ・ブラーナ』ほか
旋法とは、音と音との関係性を表したもの。正確な音の高さは決まっていません。
教会旋法は中世のグレゴリオ聖歌に使われたもので、現代の音階の基になりました。
14ある教会旋法の中でも、エオリア旋法は短音階の基になったとされています。
木琴とフルートの強烈な一撃から始まります。
その後に続くのは荘厳かつ、どこか沈鬱ささえ漂う曲。
二台のピアノの音も印象的です。