8・9・10曲 小間物屋さん、紅ください 他
文字数 2,007文字
同時に、何やら目立つ女性が出てきたようです!
さらにその前段として、イエス・キリストが十字架上で死を迎える「受難劇」も始まりました。
カルミナ・ブラーナには二つの「受難劇」の詩があります。この歌は「大受難劇」と呼ばれる作品のうち、マグダラのマリアが登場するシーンから取られたものです。
中世において、マグダラのマリアは「罪のある女」と解釈されていました。聖書の記述とは異なるそうですが、この曲では敢えて中世の解釈そのままで作ってありますね。
……要するに、この歌は娼婦の歌なのです(笑)!
後半はガラっと雰囲気が変わり、弦楽器のピチカートから激しい曲調になっていきます。
ここで入るのが、次の歌。
だけど「挑発には絶対に乗らないわ」といった感じで、やや拒絶気味。
お誘いの言葉は、教養人のしるしであるラテン語です。
この曲も古ドイツ語ですが、一説によると土着言語は女性が歌う部分とのこと。
当時のラテン語は教養人による国際語でしたが、話せるのはほとんど男性でしたから…
でも中世ヨーロッパの女傑として知られるアリエノール・ダキテーヌという女性は、チェックしておいて良いかも。フランス王妃でありながら十字軍の遠征に自ら参加し、その後離婚して今度はイングランド王妃になったという、すさまじい経歴の持ち主です。美人で奔放で、しかも好戦的だったと言われます。
↓ちなみに、この騎馬の女性です
イギリス国王エドワード8世が、離婚歴のある女性シンプソン夫人と恋に落ち、彼女と結婚するために王位を捨てたのです!(有名な事件です)
この詩が選ばれたのは、事件と関係があるのでは、と言われているよ
「輪舞」は23.09~。穏やかなオーケストラで始まりますが、途中でドラマチックな合唱に取って代わられます。
「たとえこの世界がみな」は27.57~。短い曲ですが、金管楽器のファンファーレが力強く、印象に残る曲です。