4曲 万物を太陽は整えおさめる

文字数 921文字

次も、第一部「初春に」の中の曲だね?

壮大な合唱曲が続くけど……

そろそろ別のパターンが来てもいいよな。

オペラの時みたいな独唱はないの?

二人の言う通り。

次の曲は、まさにバリトンの独唱曲だよ。


歌詞の内容は、若者たちが本格的な春がやってきたと喜んでいるものです。

聞いてみましょう!

春の喜びを全力で歌い上げるような、ラテン語の歌詞。太陽の賛美から始まる原詩では、各節で2行ずつ、韻が踏まれています。


恋の歌ですが、決して浮かれ騒ぐような曲ではありません。バリトンがたった一人で粛々と、かつ情感たっぷりに歌います。

明るい太陽が すべてを暖め

春の(おもて)が世界に 新しい物を見せるの


若者たちの心は 恋を慕い求め

陽気者たちの上に愛神(キューピッド)が君臨するの

毎年、春にはあらゆる物が新しくなって

春の力と権威とが

我々に喜び合えと命じる


通い慣れた道筋

あなたの春に

あなたの愛を得ることこそ

誠実であり

正しいことだと教えるのだ

私を愛して!

真実の愛を交わしましょう

心底狂おしく 全身全霊で

遠いところに身は置くとも 心は目の前にあるわ

誰にしろ かような愛を抱く人は

苦悩の車輪にくくりつけられてるわ

ああいつの日か この思いが叶い

私の思い通りに あの娘がしたら

あの娘が恋しい 思いが叶ったら

嬉しくて夢心地 悩みもあるまい

参考:

永野藤夫『全訳カルミナ・ブラーナ』

シカゴ交響楽団『カルミナ・ブラーナ』解説(訳:呉茂一)ほか

こちらの動画は1989年のベルリン・フィル&指揮者・小澤征爾。

前年にヘルベルト・フォン・カラヤンが亡くなり、代わって小澤征爾さんが指揮をされた時のものだそうですが、演奏がとにかくすばらしいです

ジルベスター(大晦日)コンサートの映像なんだって?
そうなの!
さらにうれしいのは、日本の合唱団が出ていて、日本語字幕付きであること。これは理解を助けてくれますね~

「カルミナ・ブラーナ」全曲が入った動画です。9.46~12.00がこちらの曲に該当します。

各段落はグロッケンシュピールとピッコロによる四つの音で始まります。やはり神秘的なイメージに満ちています。

映像からはやや古い印象を受けますが、音楽はちっとも古びていません。クラシック音楽はこういうところが良いですね
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