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文字数 467文字



好みが変わってきたと思う
そう呟いたら大人になったんだよと
君は僕を見て笑った
そうか僕は今もう大人なんだと
嬉しさとどことなく寂しさに
いっぺんに包まれた
あの頃頑なに食べたくなかった
カラフルな色のものたち
見るだけで嫌だと喚き立てて
存在自体拒否していたのに
何も見えていなかった
それは物に対しても人に対しても
本当は秘めたる力がたくさんあるのに
自分の思いのままにならないと
要らないものだと一括りにしていた
ただただ自分が無知で無力なバカだったのに
それを全部周りのせいにしていた
嫌いなものから苦手なものになって
いつの間にか普通に昇格した
ないと困るものが普通に降格したものもある
大好きが入れ替わっていく
食べられないものが変わっていく
隣にいる人に合わせた好き嫌いも
影響しながら僕はまた少し大人になった
大嫌いだったあの人が
今は大切な親友で仲間になってる
大好きだったあの人の
連絡方法はもう忘れてしまった
そうやって色々変わっていく
そんな僕を見てる君は
何だか嬉しそうだった
また明日何か新しい事を知って
今の好きが変わるかもしれないけど
それもまた僕は受け止めようと思う
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