文字数 335文字



足音だけが聞こえるような
そんな静かな場所に
僕は寝そべりながら
君のことを想う
他の誰にも会いたくないから
君の歌で耳を塞いだ
悲しい時はこの場所が
僕を優しく温めてくれる
君の魂の叫びを纏い
眠りに落ちるか落ちないかの
その狭間で漂いながら
君をただ待ち続けた
君だけが僕をこの世界に
引き留めているから
その声が届く間はここにいるよ
まだ旅の途中だけど
初めて出会った心地よさに
僕は僕の全てを奪われてしまった
アテもなく彷徨うだけの
名前も持たない旅人だから
君は僕のことを知らなくていい
ただそこで楽しそうに
幸せそうに歌を奏でていてほしい
その間だけ僕はほんの少し
旅をし続けてる理由を見出せるから
そしてまたいつか
この場所からまた歩き出すときに
君のその歌を思い出すよ
僕は1人じゃなかったと
心から感じるために
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